子宮けい癌は恐ろしいか。~ワクチン接種をさせる前に~
ご無沙汰です。佐々木です。
突然ですが、今日は子宮頸癌についてちょっと。
じつは、このところ、友人の友人の娘さんや、友人の親戚の娘さんという比較的近い方が、
子宮頸がんワクチンの副作用に苦しんでいる、という事実を知りました。
テレビでは、そのようなことがあると知ってはいましたが、そんな近い世界で多数起こっていたことに、驚きました。
娘さんを守ろうとワクチンを接種させた親御さんの心情を考えると、ほんとうに胸が痛みます。
そこで、そのような悲劇が少しでも減少する一助になればと思い、
以前、友人たちの質問に回答した文章をアップします。
当時、友人たちは、娘さんに子宮頸がんワクチンを受けさせるかいなか悩んでいました。
そのときの友人たちもそうですが、
お母さんたちは、不安にあおられ、悩んでおられるようです。
子宮頸癌ワクチンの副作用のリスクをとるか?
それとも、感染のリスクをとるか?
ネットで検索すると、どっちも怖い。どうしよう?
・・・ふたつにひとつ、決めなければ!
その選択の重さにおびえているママさんを見ると、こう言いたくなります、
「・・・ちょっと待ってください。ほんとに、ふたつにひとつでしょうか?」
■子宮頸がんは恐ろしいか。
まず、予防接種とは基本的に「軽く感染させて免疫を獲得する」ものですから、どんな予防接種でも副作用のリスクがあります。
そのリスクと秤にかけても、防がなければならない性質の病であれば、予防接種をするべきである、というのが一般的な見解ですね。
つまり、副作用の恐ろしさうんぬん以前に、まず子宮けい癌そのものについて知らなければなりません。
■子宮頸がんとは何か。
子宮けい癌の原因となるのは、ヒトパピローマウイルス(以下HPV)。
性交渉で感染し、子宮けい部にこのウィルスがとどまりつづけることで癌が発症します。
つまり性交渉の経験のある女性は誰でもかかる可能性があるといえます。
ただ、HPVウィルスは皮膚と粘膜に常に存在するウィルスで、何か特別な恐ろしいものではありません。
なんと性交渉の経験のある女性の八割が、感染経験があるといわれています。
しかし、からだの免疫機能と新陳代謝が正常に機能していれば、HPVウィルスは古くなった細胞とともに表面からはがれおち、消失してしまいます。
たぶん、私たち・母親のほとんどが、そういう経緯を経ていると思われます。
この正常な体の機能が、なんらかの異状によってうまくいかなくなり、HPVが子宮けい部にとどまり続けると、5-10年で癌化することがあります。
どのぐらいの確率でそうなるかというと、WHO(世界保健機関)によれば、三億人がHPVに感染した中で、子宮けい癌発症は45万人(0.15パーセント)です。
つまり、1000人感染して一人か二人が癌になるって割合ですね。
発症率でいうと非常に低いです。
しかも、この子宮けい癌は、検診で発見しやすい癌です。
一年に一回、五分で終わる検診を受けていれば、初期で発見でき、治療でき、まず治りますし、妊娠出産、または命にかかわるほどまでにがんが進行することはないといってよいです。
つまり、免疫機能や代謝機能が正常に働くよう、食生活、運動、睡眠、ストレスなどにきをつけ、健全な生活を心がけ、なおかつ、性交渉をもつ年代になったら、一年に一度、検診を受けさせれば、この病気に関しては、まず心配ないといってよいでしょう。
性の事について、親と話しやすい環境をつくることも大切かもしれませんね。
■まだ、子宮頸がんが怖い方へ。
・・・さて、それでも、ワクチンを打つべきだという方のために、ちょっとワクチンの話。
現在の子宮けい癌ワクチンは、たくさんあるHPVウィルスのいくつか(七割)にしか効きません。
だから、もし接種したとしても、発症の可能性は残るので、「検診には行くべき」とされます。
1000人感染して一人か二人しか癌にならないウィルスを、70%防ぐために、接種は3回必要です。
つまり、副作用のリスクは三回ありますね。
ここでさらに、副作用のデータを解説すべき・・・
なのですが、
実は私は、「子宮けい癌は怖くない、だからこのワクチンは必要ない」と判断したので、データを収集していません。
すみません(^_^.)
必要を感じた方は、副作用のデータを収集してみてくださいね。
主な参考資料
『新・予防接種に行く前に』
(株)ジャパンマニフェスト社 ワクチントーク全国・「新・予防接種に行く前に」編集委員会
ほか