最近やってしまったことの話。(アレルギー関係なし)
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
最近、ちょっとやっちゃったなーと思うことについて。
暇な方だけお付き合いください。
ちよっと前に、ある男性からこんな感じのメールが来た。
「趣味の領域でキンドル出版をしたいのだけど、自信がない。
何からやったらいいのだろうか。教えてほしい」
キンドルというのは、Amazonが提供する個人出版のシステム。
ワードや、ちょっとした画像ソフトが使えれば、誰でも簡単に書籍データを作れ、無料で個人出版ができる。
キンドルをはじめとした電子書籍は、スマホで読書ができる手軽さに、ここ数年で急速に普及した。
私の本はすべてこのキンドルで出版している。
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ただ、初心者が自分の書きたいものを書いて、バックアップもなしに出版しただけでは、絶対に売れない。
だから、客観的になって、いろいろと気を付けるべきポイントがある。
(ちなみに私の本が売れているのは、すべて伊藤龍一さんの功績である)
最近は、そういうポイントをまとめた動画や、出版したい人間相手の講座とかも充実してきた。
とくにこのお二方の言うことは、とても的確でわかりやすい。
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なので、こういうのが参考になりますよと、これらの動画のアドレスをその方にお送りした。
それで、しばらくたってから、またその方からメールが来たんだけど、
「動画を見て、出版を断念した。やることがたくさんあって、自分には無理だとわかった」と言う。
えっ・・・
私は悲しくなりつつも、何か問題があったかなと、その方に送った動画を見返してみた。
それで、「ああ、なるほど・・・、これは、まずかったかもしれない」と思ったのだ。
というのは、
その動画は、ものすごく丁寧に、キンドルの出し方を解説していた。
様々な手順、計算、手続きの仕方・・・
初心者がはまりがちな失敗、
出版してからありがちなこと、その対処法・・・
子どもに噛んで含めるように、先回りして、痒いところに手が届く解説をしていた。
つまり、だ。
キンドル出版が登山だとしたら、その動画は登山道のすべてを頂上に至るまでドローンでたどって見せるようなものだったのだ。
そしてその人は、思ってしまったのだろう、
もう、登らなくてもよくない?
だって、こんなにたくさんの人が登ってるし、そこで起こることもわかってるし。
そもそもつかれるし。
「自分が登る意味」って何?
私が一冊目を出版した2015年は、何もかもが違った。
キンドル業界は、未開の地であり、ブルーオーシャンだった。
誰も電子書籍がこんなに普及するとは思っていなかったし、それで稼ごうという人も少なかった。
だからキンドルを出版するということは、道なき山道を地図ももたずに登るようなものだった。
こわかった。大変だった。
でもとにかく進まなきゃ、って気持ちだけがあった。
今思うと、そんな風にがむしゃらに登れた私はラッキーだったのかもしれない。
これは、キンドルだけの話ではなくて、情報化した社会というのは、つねにそういうリスクがあると思う。
実体験と見まがうようなビビッドな情報があふれ、そういうものに触れると、簡単に、もう体験したような、わかったような気になってしまう。
もう体験する意味はない、ような気がしてしまう。
やる気が吸い取られてしまう。
けれど、実際は、ほんとにやってみると全然違う。
想像してたのと違う。
そこからまたいろんな気持ちや好奇心や可能性が生まれ、いろんなことにつながっていく。
だからまず、登り始めることが肝心なのだ。
そうすれば、ドローン動画ではわからなかったいろんなものに、すぐに夢中になれるから。
景色とか、野鳥の声か、きれいな花とか、水の美味しさとかに。
そして、たとえ、目指す山の頂上に行けなかったとしても、かならずどこかに行けるから。
今とは違う、新しい場所に。
情報は私たちの生活を豊かにする。
それは、あやうい考えなのかもしれない。
主体性とか行動力を持っていたかったら、ときには意図的に情報をシャットアウトすることも必要なのかもしれない。
そんなふうに思った一件だった。
だから、相談してくれたあの方には、悪いことをしたと反省している。
いつかやる気を取り戻してくれたらいいなと思っている。
そして、キンドル出版をしたいという方がまたいたら、今度はこう言いたい、
「ハウツー動画見てないで、まず原稿を書くんですよ(^<^)!」