トランス脂肪酸と、子どもたち。
トランス脂肪酸は、アレルギーの一因ではあれ、主因ではありません。
それを、今回あえて詳しくマンガにしたのは、私がこのマンガを描くきっかけとなった、あるできごとに関係があります。
設立準備号で触れたように、2013末、私の息子と娘が、突然喘息とアトピーを発症。
私は、本や、この漫画の監修者である伊藤龍一さんから得た知識をもちい、食餌療法によって二人の症状を治めることができました。
実は、娘については、食餌療法に取り組んだのは母親の私のみ。
変化したのは私の母乳です。
しかも、当時一歳を過ぎていた娘にとって、母乳は補助的な栄養源でしかありませんでした。
その上、娘のアレルギーの原因となった食品を、私は一日に一度しか口していなかったのです。
娘がいなければ、私は自分の体の中に潜む「栄養バランスの悪さ」に気づかなかったでしょう。
いえ、実際、私個人は十分健康であったかもしれません。
けれど、その私の血液から作られる母乳を一日に何度か飲むだけで、娘がアトピーを発症するには十分だったのです。
子供のからだの感受性の強さを思い知ったできごとでした。
さて、トランス脂肪酸は、摂取量によっては、脳の成長に障害をきたすことがわかっています。
脳の60%は油。
生きた油を材料とするべきところに、できそこないの脂肪が入り込むわけです。
その結果、子供が切れやすくなったり、注意欠陥障害(ADD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などを引き起こす要因になることが指摘されています。
しかも、この過程は不可逆的、つまり、取り返しのつかない出来事です。
ある人は、政府が規制してないんだから、大した害じゃないんだろう、神経質だよ、というでしょう。
ある人は、そういう病気は最近認定されたから、診断数が増えて患者が増えたように感じるのさ、新しい病気ではよくあることだよ、というでしょう。
はい、そうかもしれません。
でも私は、そうじゃないかもしれない、と感じました。
とはいえ、トランス脂肪酸が含まれる食品をまったく取らない食生活は、現実的とは言えません。安くておいしいですから。
もちろん、不可能ではありませんが、別のストレスが生活にかかるでしょう。
ですから私の取り組みはこうです、
「子供がいるうちは、オウチで普段使いするものは、トランス脂肪酸フリーにする。」
もちろん、人によって、感じ方、折り合い方はそれぞれでしょう。
大切なのは、「そういう見方もある」「そういうデータもある」ことを知った上で、自分で選択することではないでしょうか。
ご自分のライン、うまくひいてみてくださいね。