マクロビでアトピーは治るか。(モモちゃん(12歳 女児) チキンくん(9歳 男児))
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
前回に引き続き、そろって重症アトピーが改善したモモちゃんとチキンくんの姉弟についての記事です。
●モモちゃんの改善写真
●チキンくんの改善写真
■2人はマクロビオティックを実践してきた
モモちゃんとチキン君は、三つ歳の離れた姉弟。2人とも生まれつきアトピー。
モモちゃんが年長、チキン君が年少の時、マクロビオティックの食事を実践し、六か月で改善。野菜と玄米をよく噛んで食べさせたそうです。
しかし、小学生になってしばらくして、二人ともアトピーが本格的に再発。今回は玄米と野菜では思うように治らず、当サイトにアドバイスを求めてこられました。
「アトピーがマクロビオティックでよくなったが、その後再び悪化し、以前のようには改善しない」
同じようなケースはよくあるようで、当サイトがかかわったケースで4件目です。
なぜこういうことがおこるのか、
マクロビオティックの食事を簡単に紹介しながら解説します。
■マクロビオティックはアトピーを治せるか
マクロビオティックは、健康になることを目標にしたひとつの食事療法の体系です。
「マクロビ」と略されることも多く、ママさんなら一度は聞いたことがあると思います。
マクロビオティックでは、玄米、菜食を基本とし、畜産物(肉、卵、乳製品)をさけます。油は植物油のみつかいます。
さて、確かにネットなどでは、「マクロビオティックはアトピーを改善させる」というような文言が目につきます。
試しに、当サイトがお勧めしている、アトピー改善のための食事療法(下関療法)と比較してみましょう。
(下関療法は、臨床医、永田良隆先生が、一万人以上のアトピー患者を八割の確率で改善に導いた食事療法です)
(拙著『アトピーが消えちゃった!マンガでわかる体質改善』より)
マクロビオティック:断つ
下関療法:症状のきっかけとなっているのならば断つ (→胃腸が回復したら適量は戻す)
●違う点・・・植物油、玄米について
マクロビオティック:常にとる
下関療法:植物油(リノール酸)は極力控える。玄米(難消化性のたんぱく質を多く含む)は厳禁。
このように、似ている点と正反対の点がありますから、
下関療法の効果を知る立場から見ると、マクロビオティックでアトピーが改善するケースがあるとすれば、おそらく、まず畜産物を断つことによってだと思われます。
そもそも、アトピーになる人の多くが、畜産物の食べすぎで症状が出ています。
このタイプのアトピーは、畜産物を完全に断つことによって、よくなることがあるでしょう。
すると、洋風の肉料理や卵料理などと一緒に取っていた植物油も減りますから、その効果もあるでしょうし、
大量にとるようになった野菜類の繊維などによって、腸内環境が改善し、消化機能が上がるということもあるでしょう。
(また、私個人としては、マクロビオティックでは砂糖を断つことも、アトピーを改善させる助けになっていると考えています)
しかし、マクロビオティックで正しいとされる食事では、今度はタンパク質とカロリーが不足しがちです(このため、厳格に実践すると、痩せてしまう傾向があります。モモちゃんたちのお母さんも、それを実感し、心配なさっていました)。
とはいえ、畜産物は使えません。すると、こってり感やおいしさは、おのずと、日々の使用が許されている植物油でカバーすることになります。
マクロビオティックでは、植物油は「陽性の食品」として勧められているので、歯止めはかかりにくいです。
こうして植物油、つまり、アトピーの原因物質であるリノール酸の摂取はまた増えていきます。
(鶏のから揚げの代用として有名な、車麩のフライ)
また、玄米にも問題があります。
玄米そのものに食物繊維などの栄養が豊富に含まれるのは事実です。
しかし、いかんせんタンパク質が多く消化が悪いので、少しでも噛むことを怠ると、未消化のたんぱく質となって体内を巡り、アトピー発症のきっかけとなります。
すると、結果的に、リノール酸と未消化のたんぱく質というアトピーの再発条件が整ってしまうわけです。
マクロビオティックで改善したアトピーが、しばらくして再発し、マクロビオティックの食事では治らないケースがあるのは、このような経過ではないかと考えます。
つまり、そのケースでは、当初のアトピーと、再発したアトピーとの原因は、別のものである可能性が高いということです。
ややこしい事態です。
しかし、一度マクロビでよくなったという経験があると、「マクロビは身体にいい、玄米菜食はアトピーにいい」という信念からなかなか抜け出せません。
また、そういう状態を「毒出し期間だ」と説明される場合があり、それに従っていると、悪化の一途をたどるでしょう。
このような経過をたどっているケースでは、とにかく玄米をやめることです。
主食は、精製された白米や、麦ごはんなどにし、それでもだめならば、主食はAカット米や芋類に切り替え、
植物油はできるだけ控え、
成長期の子供ならば、栄養源である畜産物はある程度戻し、
食事は腹八分目にしてよく噛み、様子を見ます。
もちろん、適度な強さのステロイドを十分使いながらです。
モモちゃんたちのお母さんにも、そのようにアドバイスさせていただきました。
その結果は写真をご覧いただければわかると思います。
お二人は現在、ステロイドの定期使用を卒業しています。
また、お母さんは、after写真のチキン君の腕が太くたくましくなっていることも、喜んでらっしゃいました!
↓↓↓
マクロビオティックには、現代人が学ぶべき点は多くあるでしょう。
しかし、マクロビオティックは、あくまで、医師ではない人間が観念的にまとめあげた理論体系ですから、医師の眼のとどかないところで、一般人が厳密に実践しすぎることは危険です。
マクロビオティックは、アトピーの臨床現場とは無関係に作られたものだということを忘れてはいけません。
●次回→「子どものアトピー、完治を焦らずに」
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