アトピーの家族の食事療法の難しさ(Aさん 最重症アトピー 50代 男性)
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
引き続き、最重症アトピーが改善したAさんについての記事です。
1 最重症アトピーの改善例 写真とアンケート
2 アトピー改善の食事療法で出ることがある「やり過ぎサイン」
3 紫外線アレルギーが食事で改善する可能性について
4 青魚がダメな人は「ヒスタミン中毒」かもしれない
5 アトピーの家族の食事療法の難しさ
Aさんは最重症のアトピーでしたが、食事療法により、症状が一時的に劇的に改善しました。
その後、食事療法の継続が難しくなり、現在は以前ほどではないけれど、症状がぶり返しているとのこと。
今日はその辺について、詳しく触れていきたいと思います。
■「坂道を転げていくように悪化」
Aさんの食事療法をサポートし、私とのやり取りをしていたのは、Aさんの奥さま。
その奥様から、Aさんが劇的に改善した際のアンケートを頂く段になった時、奥様から連絡をいただきました。
なんと、Aさんが持病で入院、手術することになったというのです。
Aさんは命にはかかわらないとはいえ、大変な持病をおもちでした。
そして、無事退院の後しばらくして、再入院の連絡。
入院中も退院後も、食事は自由になりません。
それをきっかけに、Aさんのアトピーの症状は悪化してしまいました。
以下、当時の奥様のメールから転載します。
(中略)
基本の取り組みをプラスして玄米食をやめたら2週間ほどで劇的に改善したのですが、いったんゆるめだしたところに加えて入院が二度もあり、坂道を転げていくかのように悪化。
といっても、前ほどのひどさでもなく、それはそれはずいぶんましではあるのですが、そのおおきなくしゃみに大量のティッシュの山は何なんだといった状態です。
原因となるタンパク質が特定できていないのも理由の一つなのですが、本人もこのくらいいいだろうと前ほど徹底していないこともあるんだと思います。
自分なりに、植物油脂の入ったものは避けて食べているとルールをつくっているようですが、自覚があるようでないような気がします。
体重も増えてきていますし、私も小言が多くなります。
その後もご主人は、入退院を繰り返し、何度か手術もなさったそうです。
その間に、食事制限はゆるみ、一度減った体重は戻り、アトピーの症状もすっかりぶり返してしまったそう。
そして、私が一年ちょっとぶりにご連絡したとき、
Aさんは、ご持病のための大きな手術を、体重を絞ったうえで終えられた後でした。
この手術でAさんの体調はとてもよくなったそうです。
そして、奥様にこんなメールをいただきました。
体重も何とか減った後、本人がバカ食いしないように維持しているので、この際チャンスだと思って、再スタートしますね。
この数年主人は本当に数えるのもわからないくらい入退院を繰り返したので、目先の事ばかり考えて生きてきたようなとこもあったのですが、今回の手術で体調もかなり良くなったようで、
誰よりも本人が前を向いて再スタートしたいと言う気持ちがあったところへ、佐々木さんにメールをいただいたので、そちらの面もさらなる改善をめざしてやっていきたいと思います。
■家族のアトピーを改善させることのむずかしさ
アトピー改善の食事療法に取り組むとき、もっとも取り組みやすいのは、患者が自分である時です。
自分の納得のいくように、好きにできるからです。
また、患者が他人である時も、話は割と簡単です。
取り組むか取り組まないかは、その人の自由だからです。
もっとも難しいのは、患者が大切な家族である時です。
お子さんが患者の時は、このサイトでよくご紹介するように、お子さん特有のむずかしさに、親は悩まされます。
しかし、今回のように患者が大人の家族であるときも、やはりとても難しいのです。
Aさんの奥さまは、最初にAさんを劇的に改善させたときの食事療法を振り返って、アンケートにこう書いてらっしゃいます。
わかる、わかる。
これを読んでいる読者さんたちも「わかるわかる」と思っていらっしゃるのではないでしょうか。
でも、ついやり過ぎちゃうんですよね。
直ってほしい、楽になってほしい、もう心配したくない、という気持ちが先走ってしまって。
でも、やりすぎると、患者からの反発が来るんですよね。
それは心のレベルだったり、身体のレベルだったり。
でも、そこを経たからこそ、学べるんですよね。
ああ、この人は私の家族だけど私の思い通りにはならないんだということを。
私の場合はそれは子供たちでした。
変わるということは、本人にしかできません。
変わりたいという気がない人は、梃子でも動きません。
それが周りから見て、どんなに必要な変化であっても。
家族をふくめ、周りの人間ができるのは、こっちだよって、来てほしい方向のドアを開けておくことぐらい。
こっちからいい風が吹いてくるよ、みたいな。
Aさんは、大きな手術と、そして私が久しぶりに出したメールがきっかけで、また、そちらに歩みだそうというお気持ちになってくださいました。
ご家族の改善が思うようにいかない方は、あせらず、
ふと、患者さんの顔を上げさせるきっかけがおとずれるのを、楽しみに待ちましょう。
患者さんを責めたり、自分を責めたりすることはありません。
そして、患者さんが、そんなきっかけを見過ごしてしまっても、
たとえ、そんなきっかけがずうっと訪れなかったとしても、
それは、あなたの責任ではないんですよ。
Aさんの記事は、今回で終了です。
Aさん、奥様、ご協力ありがとうございました!
Aさんの症状が快方に向かわれるよう、陰ながら今後も応援しております(^^)
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