長女とダンスと彼女の心。(アレルギー関係なし)
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
発端は、一か月ぐらい前。
最寄りの児童館のダンスクラスから帰ってきた娘C(もうすぐ小2)が、むすっとした顔でこう言った。
「(一緒にダンスをやっている友達)が、まじめにやらないんだよね。
『何しに来てるの? やる気ないなら帰って』って、言っちゃった」
娘は、ダンスが大好き。
幼稚園の時、最寄りの児童館で週一回のダンスクラブに入ったのがきっかけで、その後、小学校内でのダンスグループにも入り、児童館と小学校、週に二回のダンスの時間を楽しんでいた。
その気持ちが高じて、最近は、不真面目だったり、情熱が感じられないダンス仲間に腹を立てている。
彼らのおかげで練習が中断したり、進まなかったりすると、不機嫌になって帰ってくるようになった。
それらのダンスクラブには、小さな発表会もあって、
そのときの娘は確かに、動きの良し悪しは置いて、ダンスが好きで一生懸命生き生きと踊っている、という点では目を引いたし、来賓の大人に何人か声をかけられ、褒められてもいた。
だから私は言った、
「じゃあ、本気でやってみたら。
あんたみたいな、ダンスが好きでしょうがない子ばっかり来るダンス教室に見学に行こう」
「行きたーい!」
それで、家から通えそうな二つのダンス教室に、娘を連れて見学に行った。
さすが、一般の子供とはレベルの違う動き、レベルの違う指導。
そして教室に充満する情熱!
娘も目を見張っていた。B教室では体験もした。みんなの動きに、当然ながら全然ついて行けなかった。
(写真は借り物でイメージです)
それから数日。
娘は一言も、ダンス教室の話をしない。
私が「ねえ、A教室とB教室、どっちに行くの?」と話を振っても、仏頂面で「考えてる!」の一点張り。
B教室からは、入るなら木曜からでも、と言われていたので、今日、夕食後に娘に聞いた。
「ねえ、そろそろどっちのダンス教室にするか決めないと・・・」
「わかってるよ! 考えてる! どっちもいいからゆっくり考えたいの!」
「具体的に、何を考えてるのか言ってよ。
ママも、どっちのレッスンも素敵だと思ったよ。だからあとは、曜日とか、回数とかを比較して・・・」
「わかってるってば!」
「ねえ、どうしてそんなに不機嫌なの。あのさ、やりたくないならそれでもいいんだよ」
「やりたいよ!」
そのへんで、ははーん、と思って、
「わかった。あんた、びびってるんでしょう?
入ってもやっていけるか不安で不安で、考えたくないんでしょう」
「は? ビビってないし!」
「あのさ、べつにびびるのは恥ずかしいことじゃないよ。
今までより難しいことにチャレンジしようとしているんだからびびって当然だよ」
「・・・」
「その不安を消す方法を教えてあげよっか、二つあるけど」
「教えて!」
「逃げるか、始めるか、どっちか」
「・・・」
「逃げて、また児童館のダンスクラブに行くのもありだよ。
だけど、前よりもっとイライラするよ。逃げるならばそのイライラを自分で引き受けることだね」
「イライラする・・・かな・・・」
「するだろうね。
ママも、ほんとはやるべきだってわかってることから逃げていた時があったよ。
その時はとてもつらかったよ」
っていうのは、子供たちのアレルギーを食事療法でなおして、その後、マンガを描かずに何もしないでいた時期。
私はやればできる、私の作ろうとしているものには需要がある、とわかっていたのに、できない言い訳をして何もしないでいたあの期間が、わたしは本当につらかった。
その話を娘にした。
「でも今は、ママはとても幸せだよ。やるべきことをやっているから。
だから私は、あんたにもやるべきことをやってほしいの。
それは大変な道の始まりだけど、始めちゃえば気持ちはものすごくすっきりするから。
あんたがやるならママは今夜申込をメールでするよ。
あんたはどうしたいの?」
娘は、眼に涙をためて、ふるふる震えながら、
「やる」
「よし、よく言った!」
「Aに行く」
「わかった!」
腕を広げると娘は私に抱き着いてわんわん泣きはじめた。
「グスッ・・・どもだぢでぎるがなあ~」
「自分から声かけてごらん」
「エグッ・・・ダンズうまぐなれるがなあ~」
「練習するんだよ」
「うわーん、ごわいよお~」
私もちょっと泣きながら娘の背中をさすった。
ひとしきり泣いた後、娘はしばらくマンガを読んだりしていたが、ふと顔を上げて、
「・・・ママ、本当だ、すっきりした」と笑った。
がんばれ、がんばれ、小さな私の娘。
みんなそうやって大きくなるんだよ。
ママはいつも後ろで見守っているからね。