読み聞かせが辛いママへ ~読書のススメヌ その3~(アレルギー関係なし)
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
さて、本が大好きで、つねに図書館で大量の本を借りたり返したりしている私ですが、
「まっとうな人間を育てるのに読み聞かせは不可欠。読み聞かせしていないと母親失格」という「読み聞かせ至上主義」には反対です。
「ちゃんと親子でコミュニケーションをとっていれば、子供の世界を広げる方法なんて、読み聞かせじゃなくてもいいのでは」と思っているし、
「一日何冊とかのノルマを課しての読み聞かせは、子供の『もう一回読んで』に答えられないから大反対」という考えを持っています。
今日はその続きです。
私が「冊数ノルマを課す読み方」に大反対なのは、もう一つ理由があります。
冊数ノルマを課す読み方は、何冊もの読み聞かせがスムーズにいく前提で考えられてるわけですが、
わたしは、「読み聞かせは、本のあちこちで脱線してこそ意義がある」と考えているからです。
絵本の世界は、新しい驚きや刺激に満ちています。
絵本とは、子供の好奇心のありかを教えてくれるカタログみたいなもの。
知りたい、確かめたい、
実際にやってみたい、
食べてみたい、
行ってみたい、
触ってみたい・・・
そんな「行動」に導いてくれるドアがあちこちに開いています。
例えば昨日、末っ子さんちゃん(四歳)とこちらの本を読んだとき。
↓
ページをめくって、アシカの絵を見たさんちゃんが「あっ、オットセイだね」と言いました。
「オットセイかな? ・・・あっ、アシカって書いてあるよ」
「えっ、アシカじゃないよ、オットセイだよ! サンシャイン(水族館)で見たじゃん!」
「そうだね、きっと似てるんだね」
「違うよ、これはオットセイだよ! ママ、読むの間違えてるよ!(譲れない様子)」
こんなときどうするか?
私は本を置いて、パソコンをつけて検索することにしました。
「アシカ オットセイ 違い」と検索したら、親切な人のサイトがいくつもヒットしました。
ユーチューブでもそんな動画はあるでしょう。
そして結局、アシカとオットセイの違いだけではなく、トドと、セイウチと、アザラシの違いについても知ることができました。
さんちゃんは小学校から帰宅した上の子たちに、それをドヤ顔で解説(笑)
また、今が緊急事態宣言下でなかったら、私はきっとさんちゃんとサンシャイン水族館に行ったでしょう(幸い、近いので)。
そして、さんちゃんに、飼育員のお姉さんに質問してごらん、と勧めます。
運が良ければ実物を前に説明してくれるかもしれません。
その日、アシカが出てくる本をすっかり忘れて読了しなかったことは、べつに問題ではありません。
その本はさんちゃんと私の冒険の出発点となってくれただけで十分。
大切なのは、読み聞かせを通してあらわれた子供の興味や疑問や好奇心に反応してやることだと思います。
そして、未知の何かにいっしょに取り組むこと。
その過程で子どもが、「情報へのアクセス方法」を体験すること。
新しい気持ち、例えば動物の進化の面白さを知ったり、水族館の飼育員のすごさを知り、尊敬の気持ちを味わうこと。
そうすることで「自分が抱く興味や疑問は、つねに、そのために動く価値があるものなんだ。
そして、行動さえ起こせば、やがて答えが見つかり、自分の世界が広がり、知識や自信がつくんだ」と実感してほしいんです。
それが、子供が自分の人生を切り開く原動力だと思うから。
冊数ノルマを課して読み聞かせをしている人は、よく「子どもの集中力がなくて・・・」と言います。
それは、果たして「集中していない」のでしょうか。
集中できそうなものを見つけた子どもの邪魔を大人がしているのではないでしょうか。
いつも行動的な子供であれば、なおさらです。
集中とは、じっとしていることではありません。
やりたいことを我慢することでもありません。
冊数ノルマを課す読み方は、本の世界を閉じてしまいます。
すらすらと一読されただけで二度と開かれなければ、絵本のなかの生き生きした「力」は子供のいる現実世界にまで届きません。
そして、子どもの魂ののびのびとした遊び場であるはずの読み聞かせという世界は、まったく違う場所になってしまいます。
うまくいかなくて、当然です。
ストレスが溜まって、当然です。
だって、そんなやり方、本当はあなたも、子供も、誰も望んでいないからです。