アトピーの原因の探し方(重症アトピー改善例 SOちゃん 一歳男子)
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
ひきつづき、重症アトピーだったSOちゃんの改善例を紹介します。
1 脱ステに挫折した結果、ステロイドをやめられた話
2 アトピーの原因の探し方
3 アトピーの食事療法はステロイド抜きでは効きにくい。
4 ステロイドで眼圧が上がる、という不安は適切か。
患者は、当時一歳半だったSOちゃん。
脱ステの専門家の指示のもと、10ヵ月に及ぶ脱ステ中でしたが、うまくいかず、
ステロイド使用を併用した食事療法を始められました。
そして一年後が、afterの写真のSOちゃん。
ステロイドの定期使用を、めでたく卒業しました!
適切な食事療法とステロイド使用とを併用した場合、
ステロイドは必要なくなったときにやめればいいだけで、リバウンドは起こりません。
そのわけについては、こちらをどうぞ。
↓↓↓
過去記事「脱ステロイドには反対です」
(食事療法におけるステロイドの重要性についてなど、解説しています)
今日は、SOちゃんが、ステロイドに助けてもらいながら、どのように食事療法をおこなったかについて、振り返ってみましょう。
■食事療法の基本的なやり方
私が拙著でご紹介している食事療法の基本的なやり方は、
まず、症状の原因となっているであろう、植物油を出来るだけ控えた状態で、
症状のきっかけとなっている可能性のある食品を、食事から段階的に除去し、実験していく、というものです。
その段階(ステージ)は三つあって、
ステージ1・・・卵・乳製品の除去
ステージ2・・・ステージ1+肉の除去
ステージ3・・・ステージ1+2+米の除去 となっています。
ただ、これは最大公約数的な方法であり、
必ずしもこの通りに進まなくてはいけないわけではありません。
(拙著『アトピーが消えちゃった! マンガでわかる体質改善』より)
アトピーは、それまでの個人の食生活が大きく関係しているし、体質的な個人差もあるので、
症状のきっかけとなっている食品は、人によって大きく違います。
畜産物やコメ以外のタンパク質、または、タンパク質以外の食品がきっかけになっていることもあります。
ですから、食事療法中でも、鶏肉が大丈夫だったら食べてもいいし、
本のリストになくても、納豆を食べた後に痒くなると気がついたら、納豆を除去しなければならないのです。
自分の症状のきっかけになっている食品が何なのか、気が付くためには、
とにかく、食べたものと、その後の症状を記録することです。
SOちゃんは、油と畜産物を抜いただけでは十分症状が治まらなかったのですが、
ママさんは、そこで諦めることなく、記録と観察を続けられました。
↓↓↓
■SOちゃんの場合
SOちゃんママの許可を得て、当時のやり取りの一部を抜粋します。
黄色い枠がSOちゃんママ、緑が佐々木です。
体の中になにか新たな痒み物質が入った、と考える感じでいいでしょうか?
そして、今日いつもと違ったことは、オヤツにアレルギー用ミルクma-meを200あげたことでした。
これが怪しい、といった感じでしょうか?
そして、必ず毎晩掻きむしるのは、毎日なにか痒いものを取っている、と考えて、一品一品、一日単位で抜いてみたら良いのでしょうか?
ステロイドを十分塗ったうえで、それでも毎日かゆみがあるのならば、毎日、なんらかのタンパク質が血中に入り、かゆみを起こしていると考えられます。
疑わしいタンパク質をひとつずつ抜いてみる、というのが一番だと思います。
抜いて様子を見るのは、一日だと足りないかもしれません。
マンガに描いたように、ふつうは一週間ほど様子を見ますが、子供は反応が速いので、三日ぐらいかなあ。
そのぐらい抜いて変化がなければ、それは原因ではなかった、と思っていいと思います。
ミルクについてですが、その状況であれば私もそれを疑います。
もう一度与えて実験してみれば明らかになりますね。
(この、実験というのも、ママさんにはとてもつらいものなのですが、原因特定のためには冷静な観察眼が何より必要ですね)
このようなやり取りの後、SOちゃんママから次のような報告をいただきました。
一日のうちで食事中に足をカキカキし出したりする事もあったのですが、
夜寝る前の泣き叫ぶほどの掻きむしりがありませんでした!
寝る前に目のあたりを強く掻いていましたが、明らかにいつもよりは軽く、おおお!でしたので、報告したくなりました!
またある日には、
食事を気をつけているのに突然できる体の発疹や顔のぶつぶつ。
Aカット米か?そうめんか鯖缶か?なんて疑っていましたが、おそらくジュースです!!!
いままで、タンパク質や油ばかりに目がいき過ぎて気がつかなかったのですが、
50日間の食事記録を見ていったところ、疑わしいけど、大丈夫な日もあるaカット米にはさてさてと思っていましたが、よくよく調べてみると、保育園でジュース飲んでいました!!その翌日とかにぶつぶつが‥
保育園では牛乳を除去していましたが、ジュースは先生「飲みたがるから少しだけあげますね」と言われたので、そのようしていました。
うちでも極力やめていましたが、たまたま見つけてすごく欲しがる時にはあげてしまっていました。
これが今一番怪しい!!!と気がつきました。
なのでaカット米は再開し、豆腐も再開し、鶏肉も再開しましたが、ぶつぶつはでていません。
寝る前は痒がりますが、夜中にかゆみで起きる事はありません。
昼間もなんとなくうでをかいたり足をかいたりしていますが、血や汁が出るほどではありませんし、気をそらせばおわります。
なんか前進した感じです!!!
SOちゃんママの、このようなたくさんの気づきによって、SOちゃんは改善していき、ステロイドの定期使用を卒業することができました。
「症状の原因となる食品」は、本当に個人差があり、体験から探っていくしかないんです。
そのとき、実は人の記憶は、あまりあてになりません。
先入観や、「こう思いたい」という気持ちが、記憶をより不確実なものにしてしまいますし。
症状をよく観察して、食事内容をメモして、読み返して、推察して、実験する・・・。
この地道な繰り返しこそが、改善への近道だということが、SOちゃんの事例からお分かりいただけると思います。
ということで、アトピー改善に取り組んでいる方は、1に記録、2に記録です!
そこには、食事のみではなく、運動量や、緊張することがなかったかなども記録するとよいですよ。
●次回「アトピーの食事療法はステロイド抜きでは効きにくい。」
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