ステロイドをリバウンドなしでやめるには(ABCビスケット大好きくん 一歳半 中症アトピー)
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
ひきつづき、サイトの読者さん、Мさんの息子さん、ABCビスケット大好きくんの改善例をご紹介します。
■改善前、改善後。
■ABCビスケット大好きくんとステロイド
Мさんと最初にやりとりをしたとき、ABCビスケット大好き君はすでに食事療法を始めており、症状がかなり改善していました。
その後も順調に改善され、現在は、既にステロイドの定期使用を卒業されています。
そこに至るまでの、ABCビスケット大好き君のステロイド使用歴についてのМさんのライン文章を、Мさんの許可を頂いた上で以下に転載いたします。
(内容を簡潔にするため、文章の前後を入れ替えたり抜粋したりしています。
また、ステロイドのランクについては佐々木が注を書いています)
使っていたステロイド:ロコイド軟膏0.1%とパルデス軟膏0.05%
(ともに中間レベル。5レベル中下から二つ目)
生後半年頃~1歳4ヶ月。塗ったりやめたりしながら、だいたい9ヶ月間。
一日2回、朝とお風呂上がりに痒みどめのクリームとザイザルシロップ(アレルギーを抑える薬)と併用して使用していました。
塗り始めたら肌が綺麗になり、しばらくして季節が変わったせいか殆ど赤みも出ず、たまに赤くなると塗るの繰り返しでした。
冬になり、乾燥の為かまた肌が赤くなりステロイドを塗りましたがなかなか改善されず。
ロコイド軟膏と併用してアンテベート軟膏(とても強いレベル。5レベル中上から二つ目)0.05%が処方されました。
「強いステロイドだが、おそらく副作用は無い」的な説明をされ怖くて使用できず。
ワセリンなどで保湿する回数を増やししばらくして上半身は綺麗になりました。
しかし、なぜか今度は下半身が赤く腫れ上がり、ステロイドを塗ってもなかなか改善されず、
何件か皮膚科を回りましたが、先生の意見は一緒で、
「ステロイドを塗らなくて良くなることはないでしょう。
薬で抑えて大きくなって肌の状態が改善されるのを待ちましょう」との事でした。
アレルギーの検査も希望しましたが、緊急性が無かった為か、「もっと強い症状が出たら実地しましょう」と言われました。
↓↓↓
使っていたステロイド:エクラー軟膏(強いレベル。5レベル中真ん中)0.3%とレスタミンコーワクリーム0.1%の混合軟膏
一日一回お風呂上がりに塗っていました。
使用した期間は2ヶ月間ほどです。
腫れは引きましたが赤みが引かず、ボリボリ掻いていました。
ステロイドをぬる→あんまりきかない→受診→もっと強いステロイド、の繰り返しで、
先生の説明も「ずっと薬で抑えて様子を見る」だったので、
症状は良くならないのにどんどん強いステロイドになっていき終わりの見えない不安感がありました。
長期になるなら、なるべく薄く塗ろうって気持ちはあったと思います。
だんだん強いステロイドになっていく事に不安は感じていましたが、
肌が赤くて痒い状態がだいぶ長いこと続いていたので、それが当たり前になってきて、
「眠れてるし、癇癪もないし、可愛そうだが、仕方ない」と思うようになっていました。
そして、あるとき、風邪を引いて小児科にかかり、その時先生にアレルギーテストをしましょうと提案されました。
そして、久しぶりにみーちゃん(アトピー改善者)と会い、子供逹を遊ばせながら子供の肌の話をしたら、
オイルファスティングと佐々木さんの本を紹介してもらい、
「今は遊びに夢中になったりしてる時は痒いの気になってないみたいだけど、大きくなったら痒くて勉強とか集中できないよ」
と言われて目が覚めて、薬以外も見直そうと思い、オイルファスティングを始めました。
↓↓↓
メサデルム軟膏(強いレベル。5レベル中真ん中)0.1%とヒルロイドクリーム0.3%の混合軟膏
一日2回、朝ご飯を食べてオムツを替える時(朝食で服が汚れるので着替えもこのタイミングでする)、夕方お風呂上がりに使用。
食事改善と強いステロイドで一週間様子を見てみましょうと言われました。
強いステロイドに抵抗はありましたが、
先生の説明とみーちゃんの言葉もあって、オイルファスティングと共に、今回はためらわずにステロイドを使用しました。
すでにオイルファスティングを一週間ほど続けていて赤みが引いてきたところに強いステロイドを塗ったので効果てきめんでした。
翌日には肌の赤みが消え、肌をかく回数が激減しました。
↓↓↓
リドメックスコーワ0.3%(中間レベル。5レベル中下から二つ目)とケラチナミンコーワ20%の混合軟膏
↓↓↓
ステロイドの定期使用を卒業。
このABCビスケット大好き君の例は、このサイトで繰り返し解説している、以下のことを裏付けます。
(このことは、そもそも、当サイトが従っている永田良隆先生が膨大な臨床例から導き出されていることです)
①ステロイドだけで症状を抑えることは難しい。(時期1、2)
②ステロイドだけで症状を抑えようとすると、ステロイドは強くなっていく。(時期1、2)
③食事療法と適切な強さのステロイドを併用すると、ステロイドは食事療法の効果を高める味方となってくれ、結果的にランクダウンできる。(時期3、4、5)
④食事療法とステロイドを併用し、ランクダウンして行ってステロイドをやめた場合、リバウンドは起きない。(時期5)
このことは、今までの改善記事のなかでも、例を挙げて解説していることですが、
何度でも繰り返して発信する必要があると思っています。
なぜなら、アトピー患者さんの中には、脱ステロイド派というものがあり、このように説いているからです、
「ステロイドは悪である」
「ステロイドを使い始めると、どんどん強くなっていく」
「しまいには最強レベルのものも効かなくなり、医師に放り出される」
「そして、地獄のようなリバウンド症状に苦しむことになる」
「そうなる前に、一日も早くステロイドをやめなさい」
当サイトは、ステロイドに対する、このような考え方に反対しています。
アトピーの原因は、ほとんどの場合、ステロイドではなく、偏った食事、そして生活習慣です。
それを適切に改めた上で、適切なランクのステロイドを併用した場合、ステロイドは症状改善の大きな力を与えてくれます。
私たちが、当サイトに訪れる患者さんたちに寄り添ってきた中で、
脱ステロイド派が主張するような恐ろしい事態に陥ったことはありません。
確かに、脱ステロイドによって、アトピーを克服した方もいるでしょう。
そのような方々を否定する気持ちは全然ありません。
しかし、それは唯一の道ではありません。
脱ステがうまくいかない方、
それは、あなたが食事という原因にアプローチしていないからかもしれません。
また、食事にアプローチしていても、ステロイドを併用しなければ、非常に改善しにくいのです。
しかもそれは、適切なランクのステロイドである必要があるのです。
食事の改善と、適切なランクのステロイドの使用、この二本柱が、
「リバウンドのない、ステロイドからの卒業」を実現してくれると、私たちは考え、また、実感しています。
そうすれば、ステロイドは、
地獄のようなリバウンドに苦しむことなく、
痒くなくなったときに、塗るのをやめるだけで、やめられるのです。
その前例については、こちらの改善例のページをお読みください。
その実例がこうしてまた一つ加わったことをとても頼もしく思っています。
●次回「アトピーと食欲不振」に続く。
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