「ステロイドはどんどん強くなる」という誤解。(ミニドラ君 5歳 重症アトピー)
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
前回に引き続き、私のママ友ドラママさんの息子さん、ミニドラくんの改善例をご紹介します。
1 写真とアンケート
2 重症アトピーを改善させてくれた食事。
3 「ステロイドは弱めのものを」の落とし穴。
4 「ステロイドはどんどん強くなる」という誤解。(終)
ドラママさんのお子さん、ミニドラくんは、重症のアトピーに悩んでいましたが、
食事療法とステロイドの併用が功を奏し、
現在、ミニドラくんは定期的なステロイド使用を卒業されています!
(たまに症状が出たときは、ステロイドを部分的に使っているとのこと)
さて、ドラママさんは、
改善に至る過程で、脱ステに挑戦し、かつてない酷い症状に見舞われ、挫折されました。
脱ステに至った動機は、不安や恐れから。
今回は、ドラママさんがどのような不安や恐れにさいなまれていたのか、
また、ステロイド使用を再開して改善に至った今、
その不安や恐れはどうなったかについて、
ドラママさんとのラインのやり取り画面を参照しながら、お話ししたいと思います。
■改善に至る過程
①食事療法+「中間」ステロイド → 効果がいまいち
↓ ↓ ↓
②食事療法+脱ステロイド → かつてないほど悪化(脱ステを中断)
↓ ↓ ↓
③食事療法+「非常に強い」ステロイド → みるみる改善
↓ ↓ ↓
④(現在)定期的なステロイド使用なし
たまに部分的に使用
●写真
■「ステロイドはどんどん強くなる」という誤解
ドラママさんは、食事療法以前の、ステロイドを塗っていたけれど改善しなかった期間について、次のように振り返っています。
ドラママさんも不安を感じたように、
ステロイドというものは、以下のようなつよいイメージがあります。
②最後には「最強」レベルすら効かなくなって、医師にさじを投げられる
③強いレベルのものを長期間使用すると、身体に毒が残り、それは長く悪影響を及ぼす
当サイトが従っている、永田良隆先生の見解を参考にしつつ、
この5年間での、私どもの患者さんとのかかわりにおける、これらのイメージの実際について書いてみます。
アトピーの主な原因は、リノール酸の摂りすぎです。
この原因を放置したまま、ステロイドのみで症状を抑え続ければ、
身体に薬に対する耐性ができて、薬が強くなっていくことは十分考えられるでしょう。
(実際にそれによって苦しんでいる患者さんはたくさんいるでしょう)
一方、リノール酸などの原因を適切に除去したうえで、ステロイドを使用すれば、
通常、ステロイドが強くなっていくことはありません。
ステロイドはランクダウンしていき、
最終的には定期的な使用は必要なくなります。
そして、このような使用をしている限り、
たとえ、完全にステロイドを卒業できなかったとしても、
ことも、非常に起こりにくいです。
最後に、
これについては、
永田先生も、強いレベルのものを長期間使用することについてはよくないと書いています。
最強レベルのステロイドを大量に使い続けた場合、ホルモン異常などの副作用が起こり得るということです。
ただ、やはり、このようなことは、
食餌療法とステロイドを併用した場合、通常起こりません。
以上のことをしめす一例として、
ドラママさんに、ミニドラ君のステロイド処方の経過を詳しくお聞きしたので、以下にまとめます。
■ミニドラ君とステロイド
アンテベート(とても強い)
顔のみ ロコイド(マイルド)1日2回×3日
↓↓↓
・足首~膝と手 アンテベート(とても強い)
胴体 メサデルム(強い。ランクダウン!)
顔 ロコイド(マイルド)1日2回×7日
↓↓↓
・ほぼ全身 メサデルム(強い)
首 リドメックス(マイルド。ランクダウン!)
顔 ロコイド(マイルド)1日1回×16日
↓↓↓
・使用頻度が1日1回→1日おきに ×2週間
↓↓↓
・使用頻度が1日おき→3日に一回に ×1か月
↓↓↓
・顔にはステロイドが必要なくなり、保湿のみに。
その他の部分は 3日に一回×2か月
↓↓↓
・ステロイドの定期使用終了。
部分的に出た場合のみ使う。
ステロイドの定期使用が終了した時の、ドラママさんの喜びのラインがこちらです。
そして、ドラママさんは、ステロイドについての現在の気持ちを、こう書いています。
そうなんです、
食餌療法+ステロイドを実施されたママさんが、口々におっしゃるのは、
「ステロイドが怖くなくなった」ということ。
しっかりと、本当の原因をコントロールしていれば、
ステロイドそのものが、アトピーの症状をエスカレートさせていくということはない。
どんどん強くなったり、重い副作用に悩まされたりということも、おこらない。
ママさんたちは、それを実感すると、ステロイドに対して寛容になります。
怖いものじゃなくて、味方なんだ、と感じるようになります。
たとえ、給食や、子どもをとりまくやむを得ない食環境によって、ステロイドを完全に卒業できなかったとしても、です。
「大丈夫。
原因は分かっている。治し方もわかっている」
その安心感こそ、当サイトがお伝えしたいこと。
今も、脱ステでつらい思いをしているお子さん、ママさんに、この記事が届きますように。
ドラママさん、
ほんとに貴重なデータをくれて、ありがとう!
ドラママさんの観察眼、ひたむきさはほんとにすばらしいよ。
またそのうち、ランチしながらおしゃべりしよーね(^^)/!
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