アレルギー改善の食事療法、油のシーソーは一気に動かす!
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
アレルギーを改善したい!
そう思ったら、もちろん、効果は速く出たほうがいいですね。
今日はそのポイントをひとつ解説します。
■あなたのシーソーはどんな感じ?
油は、体内での働きという観点で、大きく二つに分類されます。
ひとつは、炎症反応を起こすリノール酸、
もうひとつは、それを止めようとするα-リノレン酸です。
アレルギー疾患を発症する方は、
この二つの油のバランスが、大きく偏っています。
リノール酸が多すぎ、α-リノレン酸が少なすぎるのです。
(拙著『アトピーが治ったよ! マンガでわかる体質改善』より。
アレルギーの原因についてはこちらをどうぞ)
この傾きがどのぐらいなのかは人それぞれですが、
食事療法の効果を最大限にするには、
その傾きが大きければ大きいほど、最初の短期間でシーソーを大きく動かす必要があります。
ちまちまと、なんとなくやっていてはいけないということですね。
ですから、
魚をまったく食べず、ファストフードやスナック菓子ばかり食べていた、というタイプの方↓↓↓は、
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
リノール酸系の油を完全に絶って、三食のメインを魚にすべし!ということですね。
今、改善例を連載している、接触性皮膚炎のレモネードさんは、まさにこのタイプでした。
レモネードさんは↓こんな感じの、こってりした畜産物たっぷりの料理が大好きで、魚が嫌いだったのです。
レモネードさんは、リノール酸系の油を断つと同時に、嫌いな魚を食べようと頑張りました。
しかし、そのあまりのストレスで甘いものを過食!
それでかゆみが出ているという悪循環に!
そこで、改めてこうアドバイスしました、
「魚を食べて改善させるのをあきらめましょう、
代わりに、DHA、EPAのサプリを飲んでください。
ただし、普通の量だとおそらく足りないので、
今までの不足を補うために、しばらくは既定の3倍量、飲んでください」
(ちなみに、この「DHA、EPAのサプリ三倍」は、永田先生のお考えではありません。
永田先生は、魚を食べるべし、以上のことは言っていません)
このやり方によって、甘いものの過食はおさまり、レモネードさんの症状は治まりました。
シーソーがフラットになったわけですね。
■食事制限は一時的なもの
さて、油のシーソーが、いつフラットに近づくか、
それには、決まった期間があるわけではなく、患者さんご自身の感覚を信じるしかありません。
今まで関わった、アトピーや、花粉症など、かゆみを伴う疾患の方は、シーソーがフラットに近づくと、まず、
「体中のムズムズがきえた」
「患部がチクチクしなくなった」
「皮膚の下がざわざわしなくなってきた」
というようなことを、一様におっしゃいます。
それにつづいて、かゆみや腫れが引いてゆくようです。
そうしたら、魚を必死でたくさん食べていた方は、ちょっと一息つきましょう。
また、それまでに畜産物をたくさん食べてきた方が、魚中心の食事に切り替えると、
「魚ってこんなにおいしかったのか」と感じることが多いようですが、
症状が治まった後も、よかれと思って魚をそのまま食べ続けていると、
ある時期から「もううんざり」と感じる時期が来るようです。
その「うんざり」も、おそらく身体の声です。
身体は「もう十分。足りたよ。他のものを食べさせて」と言っているのでしょう。
そのようなときも、やはり、ちょっと息をついたほうがいいでしょう。
食事療法の期間とは、それまでの食生活の偏りを正すために、一時的に反対に偏ったことをするわけです。
「植物油ゼロ、三食魚」で効果を得たからと言って、それをずっと続けてしまったら、今度はシーソーが反対に傾いていかないともかぎりません。
私は本の中で、わかりやすさを優先して、
・リノール酸=悪玉
・α-リノレン酸=善玉
という言葉を使っていますが、これは正確な表現ではないので、ご注意くださいね。
体の声を無視して摂りすぎても大丈夫な食品、「常に体にいい食品」はないと思った方がいいです。
「体の声を聞かずに食べすぎた食品=悪玉」となるのです。
分の身体が発するメッセージに対する感覚を研ぎ澄まして、
ご自分の油のシーソーとじっくり向き合うこと。
これが食事療法の初期にとても大切なことです。