ママに沁みる映画 その7『レナードの朝』
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
映画って、育児のリフレッシュにぴったりですよね。
たまには1人で、ゆっくり映画を鑑賞したい。
子どもがいるとなかなか映画館には行けないから、レンタルか、視聴サービスで。
そんなときにちょうどいい、素敵な映画ないかな?
あります、あります!
映画を愛する私が独断と偏見で、ママに沁みる映画を紹介してみます。
「子どもが出てくる、ママに沁みる映画」限定で。
自分を見つめなおしたり、育児のヒントにもなるかも?
今日はこちら↓↓↓
『レナードの朝』
1990 アメリカ 監督:ペニー・マーシャル
■あらすじ
実話をもとにしたストーリー。
1969年、ブロンクスの慢性神経病患者専門の病院、ベインブリッジ病院に、マルコム・セイヤー医師(ロビン・ウィリアムス)が赴任した。
研究者気質で対人関係が苦手なセイヤー医師は、ほんとはやりたくなかった臨床医の仕事に戸惑いつつ、持ち前の優しさと熱意で、治療にうちこんでいく。
セイヤー医師の患者の中には、嗜眠性脳症の患者たちがいた。
彼らはある日動かなくなったまま、長い年月を病院で過ごしていた。
その一人、レナード(ロバート・デニーロ)は、11歳の時に発病以来、30年間、石像のように固まったまま、母親に世話をやかれていた。
セイヤー医師の周りの医師たちは、嗜眠性脳症の患者たちの脳は重いダメージを受けていて、二度と人間性を取り戻せない、と決めつけていた。
しかし、レナードの母親は、息子に毎日語り掛けながら、彼に自分の声が届いていると信じて疑わなかった。
彼女に心を動かされ、実験と観察を繰り返したセイヤー医師は、彼ら嗜眠性脳症の患者たちの心がちゃんと生きていることを確信する。
そして彼は、レナードの母親の許可を得て、ある夜、まだ正式には認可されていないパーキンソン氏病患者用の薬を、試験的にレナードに投与。
その深夜、レナードがとうとう目を覚ました・・・。
■原題は「Awakenings」
原題は「Awakenings」。つまり「目覚め」。
やっと目覚めて、自分の足で立ち、歩き、語りかけられるようになったレナード。
失われた30年間を取り戻すかのように、現代の社会を観察したり、積極的に好みの女性に話しかけたりと、生きる喜びを満喫します。
しかーし、なんと!!
しばらくたったある日、薬の耐性がついてしまったことによって、ふたたび症状に襲われてしまうのです。
薬の効き目が病気に負けてしまったわけですね。
その症状(けいれん)は徐々に強くなり、次第に彼を飲み込んでいきます。
彼が症状を悪化させていく様子は、まるで魔法が解けていくような、恐ろしく、グロテスクな場面です。
(この辺のロバート・デ・ニーロの演技は、演技だということを忘れてしまうほどの圧巻で、涙が出ます。名優ってすごいなあ)
いらだちや、薬の副作用もあり、周囲に対していつになく攻撃的になってしまうレナード。
そんなレナードを制止しようとするセイヤー医師に、彼は叫びます、
「あんたはなんだ、
病気でもないくせに、一人ぼっちで、うじうじと自分に閉じこもって!
眠っているのはあんたの方だ!」
そう、この映画で目覚めるべきなのは、レナードだけではないんです。
女性が苦手で、奥手で、孤独に研究ばかりしていたセイヤー医師もそうだし、
そしてたぶん、わたしたち見る側の人間も、なんです。
私たちの多くは、レナードと違って、健康です。
自由に動けるのに、
言いたいことが言えるのに、
どこへだって行ける足があるのに、
なんにだって、何度だって挑戦できるはずなのに、
つい、安全な場所で、たたずんでしまいがち。
だけど、よくよく見れば、周囲の壁は、自分の作った言い訳でできていたりします。
そして、よくよく見れば、周囲の世界は目覚めのチャンスにつねに満ちています。
子どもという、いとけない、ストレートな存在と共にいると、とくにそういう機会は多いですよね。
私もかつては、サイトを作ったり、マンガを出版したりすることで、殻を破ったつもりだったけど、それが普通になった今、またそこにたたずんでしまっている自分に気がついたりします。
そうそう、やってみたいことはまだあった、
できそうなことはまだまだあった!
よし、頑張るぞ!!!
だってわたし、元気なんだから!
そんな気持ちにさせてくれる映画です。
ちなみに、この映画ではとにかく、ロバート・デ・ニーロの名演が語られがちです。
だけど、ロビン・ウィリアムスの優しい、抑えた演技も、ものすごくいいんです。
患者の喜びを自分の喜びと感じている、セイヤー医師の笑顔、じぃんときます。
だから、ハッピーエンドではない映画なのだけど、セイヤー医師が自分の殻を破るラストに、見ているものは救われます。