アレルギーっ子のためのお菓子・・・の落とし穴。その2(終)
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
さて、前回アレルギーっ子のためのお菓子・・・の落とし穴。その1では、
アレルゲンであるバターを避けて、植物油で作ったお菓子を食べた場合、
植物油のリノール酸がアレルギーを悪化させるのでよくない、という話をしましたが・・・。
■原因物質と、アレルゲン。
まず、この図をご覧ください。
(拙著『アトピーが治ったよ!マンガでわかる体質改善』の原稿をちょっと手直し)
体内で、アレルギー症状が起こるときのイメージ図です。
体内で、身体の負担になってる食べ物が、赤い限界ラインを超えると、アレルギーが発症。
そのとき、一番上に載ってる食べ物=アレルゲン! と認定されちゃいます。
しかし、その下を見てください。
実は、おおきなリノール酸と、ちくさん物が、一番上の食べ物を押し上げちゃってるんですね。
この、リノール酸と畜産物を摂りすぎて、炎症体質になった体が、
最後の一押し=アレルゲン が来たときに、アレルギーを発症する!
これが、アレルギーの仕組みです。
(↓これはアトピーについてのマンガですが、起こっていることは食物アレルギーも同じです)
(拙著『アトピーが治ったよ!マンガでわかる体質改善』より)
ってことで、
リノール酸、畜産物=アレルギーの原因!
アレルゲン=発症のきっかけ!
二つは別物なわけです。
ですから、食物アレルギーについても、
まずやるべきは、一番大きな原因物質を避けること。
つまり、植物油を断つこと なわけです。
■植物油を使ったお菓子がもたらすもの
そういう観点で、さきほどのレシピを見ると、どうでしょう。
そうです、
アレルギー発症のきっかけ(乳製品)を避けるために、
アレルギーの原因物質(植物油)を大量にとる
ことになってしまうわけです。
バターの代わりに、たとえばサラダ油を使ってお菓子を作った場合、
例え、それが本来使われるバターの量より少なめの分量のサラダ油だとしても、
リノール酸の含有量は数倍~数十倍になります。
(日本食品標準成分表7訂より)
何故なら、たとえばサラダ油のリノール酸含有量は、バターの数十倍だからです。
ちなみに、こういったレシピ本には、時折、著者のこんな告白が添えられています、
「子供が〇〇(アレルギーの名前)になって、食についての意識が変わった。
それがきっかけで、こういうレシピを研究するようになった」
しかし、「そして、治った」という言葉は、まずありません。
これは当然だと言えます。
植物油のお菓子を、日常的に食べていれば、アレルギーの原因物質は体にたまる一方だからです。
アレルゲンを避けた結果、アレルギーが悪化する。
これは、まさに悲劇です。
■真の敵は植物油
でも、おかしいじゃない。
それが本当なら、どうしてお医者さんが教えてくれないの?
テレビでだって、そんな情報、見たことないわよ?
おっしゃる通りです。
残念なことに、
アレルギーの大きな原因がリノール酸であることは、まだまだ知られていないのです。
アレルギーの専門の医師が使うガイドラインにすら、ほとんど記載されていません。
(例外的に、リノール酸について触れられている食物アレルギー児の本はこちら!)
食物アレルギー患者が医師に勧められることは、基本的に
対処療法 = アレルゲンを避ける ことのみです。
ですから、「アレルゲンを避ける」ことに重点を置いた、こういったレシピ本も多いのです。
とはいえ、私はこういった本を批判したいわけではありません、
アレルギーの子供たちのために、試行錯誤して生み出されたものであることが、読んでみるとよくわかります。
それは、無条件に、とても価値のあるものだと思います。
けれど、だからこそ、お伝えしておきたいです、
食物アレルギーの真の敵は、植物油です。
植物油を避けることは、アレルゲンを避けることとは違い、根本的な療法となりえるのです。
食物アレルギーのお子さんをお持ちのママさんたち、
症状がたちどころに出ない、からといって、
植物油のお菓子を、「いつものおやつ」にすることはお勧めしません。
ごくたまーに、にとどめましょう。
食物アレルギーの改善のためには、とにかく、お子さんの毎日の食事から、リノール酸を減らしてあげてください(アレルギー改善食についてはこちら)。たくさん運動させてください。
そのうち、お子さんの身体からリノール酸が減って、
バターなどのアレルゲンがアレルゲンじゃなくなって、
あこがれのおいしいケーキを食べられる日が、きっと来ますから。