アレルギーっ子のためのお菓子・・・の落とし穴。その2(終)

トップ > 食べ物と健康について > 植物油のお菓子の危険について > アレルギーっ子のためのお菓子・・・の落とし穴。その2(終)
2018年4月13日 金曜日

アレルギーっ子のためのお菓子・・・の落とし穴。その2(終)

こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。

 
さて、前回アレルギーっ子のためのお菓子・・・の落とし穴。その1では、
アレルゲンであるバターを避けて、植物油で作ったお菓子を食べた場合、
植物油のリノール酸がアレルギーを悪化させるのでよくない、という話をしましたが・・・。
 
 

■原因物質と、アレルゲン。
まず、この図をご覧ください。
 
/wp-content/uploads/38.jpg
(拙著『アトピーが治ったよ!マンガでわかる体質改善』の原稿をちょっと手直し)
 
体内で、アレルギー症状が起こるときのイメージ図です。
 
体内で、身体の負担になってる食べ物が、赤い限界ラインを超えると、アレルギーが発症。
そのとき、一番上に載ってる食べ物=アレルゲン! と認定されちゃいます。
 
しかし、その下を見てください。
実は、おおきなリノール酸と、ちくさん物が、一番上の食べ物を押し上げちゃってるんですね。
 
この、リノール酸と畜産物を摂りすぎて、炎症体質になった体が、
最後の一押し=アレルゲン が来たときに、アレルギーを発症する!
 
これが、アレルギーの仕組みです。
 
(↓これはアトピーについてのマンガですが、起こっていることは食物アレルギーも同じです)
/wp-content/uploads/3f9db0b27f0d9082cc2b478e1e9f25a8.jpg
(拙著『アトピーが治ったよ!マンガでわかる体質改善』より)
 

ってことで、
 

リノール酸、畜産物=アレルギーの原因
アレルゲン=発症のきっかけ

 

二つは別物なわけです。
 

ですから、食物アレルギーについても、

まずやるべきは、一番大きな原因物質を避けること
 

つまり、植物油を断つこと なわけです。
 
 

■植物油を使ったお菓子がもたらすもの
そういう観点で、さきほどのレシピを見ると、どうでしょう。
 
/wp-content/uploads/1523539747686.jpg
 

そうです、
 

アレルギー発症のきっかけ(乳製品)を避けるために、
アレルギーの原因物質(植物油)を大量にとる

 

ことになってしまうわけです。
 

バターの代わりに、たとえばサラダ油を使ってお菓子を作った場合、
例え、それが本来使われるバターの量より少なめの分量のサラダ油だとしても、
リノール酸の含有量は数倍~数十倍になります。
 
/wp-content/uploads/68c6190a1d2d2c33119873998853197c.png
(日本食品標準成分表7訂より)
 

何故なら、たとえばサラダ油のリノール酸含有量は、バターの数十倍だからです。
 

ちなみに、こういったレシピ本には、時折、著者のこんな告白が添えられています、
「子供が〇〇(アレルギーの名前)になって、食についての意識が変わった。
それがきっかけで、こういうレシピを研究するようになった」
 

しかし、「そして、治った」という言葉は、まずありません。
 

これは当然だと言えます。
植物油のお菓子を、日常的に食べていれば、アレルギーの原因物質は体にたまる一方だからです。
 

アレルゲンを避けた結果、アレルギーが悪化する。
 

これは、まさに悲劇です。
 
 

■真の敵は植物油
でも、おかしいじゃない。
 

それが本当なら、どうしてお医者さんが教えてくれないの?
テレビでだって、そんな情報、見たことないわよ?

 

おっしゃる通りです。
 

残念なことに、
アレルギーの大きな原因がリノール酸であることは、まだまだ知られていないのです。
 

アレルギーの専門の医師が使うガイドラインにすら、ほとんど記載されていません。
(例外的に、リノール酸について触れられている食物アレルギー児の本はこちら!)
 

食物アレルギー患者が医師に勧められることは、基本的に
対処療法 = アレルゲンを避ける ことのみです。
 

ですから、「アレルゲンを避ける」ことに重点を置いた、こういったレシピ本も多いのです。
 

とはいえ、私はこういった本を批判したいわけではありません、
アレルギーの子供たちのために、試行錯誤して生み出されたものであることが、読んでみるとよくわかります。
それは、無条件に、とても価値のあるものだと思います。
 

けれど、だからこそ、お伝えしておきたいです、
 

食物アレルギーの真の敵は、植物油です。
植物油を避けることは、アレルゲンを避けることとは違い、根本的な療法となりえるのです。

 
 

食物アレルギーのお子さんをお持ちのママさんたち、
 
症状がたちどころに出ない、からといって、
植物油のお菓子を、「いつものおやつ」にすることはお勧めしません。
ごくたまーに、にとどめましょう。
 
/wp-content/uploads/1521030764307.jpg
 
食物アレルギーの改善のためには、とにかく、お子さんの毎日の食事から、リノール酸を減らしてあげてください(アレルギー改善食についてはこちら)。たくさん運動させてください。
 

そのうち、お子さんの身体からリノール酸が減って、
バターなどのアレルゲンがアレルゲンじゃなくなって、
あこがれのおいしいケーキを食べられる日が、きっと来ますから。

 




関連記事

  1. ナチュラルなものは身体にやさしい、の落とし穴
  2. 植物油はナチュラルだ、という幻想。その③
  3. 植物油はナチュラルだ、という幻想。その②
  4. 植物油はナチュラルだ、という幻想。その①
  5. グレープシードオイルでケーキ! は危険です。
  6. アレルギーっ子のためのお菓子・・・の落とし穴。その1
  7. トランス脂肪酸フリーのショートニング、お勧めしません。その3(終)
  8. パーム油の危険性。その2
  9. パーム油の危険性。その1
  10. トランス脂肪酸フリーのショートニング、お勧めしません。その2
Top