トランス脂肪酸フリーのショートニング、お勧めしません。その3(終)
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
1 トランス脂肪酸フリーのショートニング、お勧めしません。その1
2 トランス脂肪酸フリーのショートニング、お勧めしません。その2
3 パーム油の危険性。その1
4 パーム油の危険性。その2
5 トランス脂肪酸フリーのショートニング、お勧めしません。その3(終)
おまけ パーム油について調べていて、びっくりしたこと
さて、ちょっと話を戻しつつ、流れをまとめてみます、
『バターを使わないお菓子のレシピ本』のなかには、材料の油として、
トランス脂肪酸フリーのショートニング
なるものを使っている本がいくつかありましたが、
私は、
えっっ、
「トランス脂肪酸フリーのショートニング」を、
体に優しい、毎日食べたいお菓子の素材として紹介しちゃダメじゃない?
と思ってまして、そんな観点で解説してきたんですが、
今日はそのまとめです。
■イメージと実際。
さて、このショートニングっていうのは、
おもに「カラッと、サクッと」を担当する固形の油で、もともとはラード。
しかし、以下のような経緯をたどって、
↓
「固形の油は、摂りすぎると血液がドロドロになってコレステロールが上がるからダメ!」
↓
代用品(液体の植物油に水素添加して作ったショートニング)
↓
「水素添加した油はトランス脂肪酸が含まれてるからダメ!」
↓
さらに代用品(個体の植物油、パーム油で作ったショートニング)
パーム油で作ったショートニング=トランス脂肪酸フリーのショートニング
が生まれたんでしたね。
しかし、原料のパーム油には、
摂りすぎると、ラードと同じ悪影響をもたらす
ことだけでなく、
以下のような多くの危険性が。
・大腸がん、糖尿病のリスクを上げる(らしい)
・ほかにも、未知のリスクがあるかもしれない
・環境破壊や地球温暖化の原因となっている
ここまでを頭に入れて、もう一度、冒頭のレシピブックの記述を見てください。
どうでしょうか、
一見、慎重にリスクを避けているように見えて、実はそうでもないこと、
そして、「植物性」に過剰な信頼を寄せてしまっていることがわかると思います。
このように、
「バターを使わないお菓子」系のレシピブックでは、
「動物性食品」が無条件に「避けるべきもの」とされる一方で、
「植物性素材」は「体に優しいもの」とされ、リスクについては語られません。
しかし、動物性脂肪や、人工的な有害物質(トランス脂肪酸、農薬)を排除し、「植物性素材」を選んだところで、
それが「体に優しい」とは限りません。
そして、パーム油ほど、「植物性油」というイメージと実態がかけ離れた油も珍しいのです。
■カラッとサクッと、現代考!
ってことで、トランス脂肪酸フリーのショートニングも、安心して使える代物ではなさそう。
もう、パーム油にで作られたショートニングは使いたくない。
だけど、「カラッと」「サクッと」したものは、今まで通り食べたい!
さて、今度はどうすればいいのやら。
・・・いやいや、違う違う。
それじゃまた、堂々巡りになってしまいます。
そもそも、最初の問題はなんでしたっけ。
そう、ラード時代の問題。
それは、ラードやバターの取りすぎによって、肥満や、心筋梗塞などの詰まる系統の疾患が増えたことです。
だからやっぱり、動物性脂肪は危険なんでしょ、って?
いいえ、違います。
問題は動物性脂肪ではなくて、動物性脂肪の取りすぎだったんです。
動物性脂肪は、植物油が大量に出回るまで、西洋人が長い間食べ続けてきた油。
食べすぎない限り、深刻な危険性はないんです。
少なくとも、トランス脂肪酸の問題や、パーム油にまつわる危険性のような問題は、国際的に取り上げられていません。
それに、アレルギーの原因となるリノール酸の量も、植物油に比べてずっと少ないです。
ですから、立ち戻るならそこです。
そうです。
カラッと、サクッとしたものが食べたいときは、動物性脂肪を使えばいいんです。
ラードで揚げ物をして、
バターでお菓子を作る。
それがおそらく、いちばん安全。
ただし、
何よりも大切なことは、
たまーに食べる ことですよ!!!