「母乳の質が悪いと乳児の髪の毛が逆立つ」説のいち検証。
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
●森戸やすみ先生の母乳についての記事に異論あり!をよむ
最近、母乳についてのトンデモ情報なるものに流されないよう、という呼びかけをよく目にします。
トンデモ情報とは、科学的な根拠に欠ける「母乳神話」とでもいうようなあれこれ。
たとえば、このようなサイトです。
ちなみに私は、こういった「母乳神話」系というべきサイトの存在意義はあると思います。
和食を推奨しているからです。
和食はアレルギー防止になるだけでなく、さまざまな現代病の罹患リスクを減らす可能性があります。
しかし「いい母乳・悪い母乳」のような、根拠のない断定的な物言い、
また、「本来の」「自然な」「人間的な」「体が求める」「赤ちゃんが喜ぶ」のようなスピリチュアル系の物言いには拒否感を覚えます。
こういうものは、人間を先入観で包み込み、感覚的、排他的にしてしまう傾向があると考えているからです。
(ちょっと痛い目にあったことがあるので、経験的に・・・)
さて、昨日、そんな母乳神話の一つとして、「悪い母乳だと乳児の髪の毛が逆立つ」というのがあるらしいことを知りました。
髪の毛が逆立つ! それについては、うちにいい資料がありまっせ!
わが子の頭です!
■上二人の場合。
まず、「よい母乳」を出すための食事とはどういうものか。
「母乳神話」系サイトでよくテキストとされている本はこちら。
山西みな子先生は桶谷式出身の方。
指導内容は、「まごわやさしい」和食。
刺激物、アルコール、カフェイン、甘い物、油物はだめ。
さて、ではわが子の話です。まずは上二人。
この子たちは、マンガでも書いたように、それぞれアレルギーを発症しました。
(食事を改めることでおさまり、いまは完治に近い状態です)
長男の乳児期は、いろいろなものをバランスよく食べるようには気を付けていました。
しかし、結果的に子供たちはアレルギーを発症したわけですから、私のもともとの食事傾向として、油もの、ちくさん物が多かったはずです。
2人目の長女の時は、玄米も食べてしまっていました。
なので、どっちかというと「悪い母乳」を作るような食事だったと考えます。
(注:当サイトでは「いい母乳・悪い母乳」という言葉は使っていません)
二人とも完全母乳で育ちました。
で、子供たちの頭はこんな感じでした、
まずは長男!↓
イイカンジに逆立ってますね~。
そして長女!↓
うーん、こちらも立ってますね!
2人とも常にこんな感じで、よく周囲の笑いを誘ってました。
ここまでは仮説通りの結果が得られていますね。
■末娘の場合。
さて、そんな二人がアレルギーを発症したことをきっかけに、私はわが家の食事を変えました。
好きだった油もの、肉を控え、魚中心の、ノンオイルの和食を心がけました。
当時の食事内容は、先ほどの本が「よい母乳」を作るために勧めるものとほぼ同じだったといえます。
その結果、上二人の症状は治まり、その後もめったに出なくなりました。
そして、一緒に食事をしていた私の身体も、その恩恵を受けたはず。
そんな私が食事を変えてから身ごもった末娘。
彼女も完全母乳で育ちました。これは「よい母乳」として差し支えないでしょう。
さて、それでは、末娘の頭は!!!
どーん
どーん
どどどどーん!
じつは、末娘の逆毛は三人の中でダントツレベル。つねに周囲の「爆笑」をかっていました。
・・・あれ?
■検証って難しい。
なんだ、「母乳の質が悪いと乳児の髪の毛が逆立つ」なんてうそじゃん!
そう思った方、いやいや、それは早計です。
というのは、たった一例では、データとして不十分だからです。
それにそもそも、「母乳の質が悪いと乳児の髪の毛が逆立つ」は検証しにくい仮説です。
まずは、「食事の成分が母乳に移行するか」を調べなきゃならないし。
それに「悪い母乳」の成分の定義がされてないわけだし。
あとは、どのぐらいの長さの毛が何度で立てば「逆立ってる」かって決めなきゃいけないし。
そのほかにも体質とか、遺伝的要素とか、はたまた気候とかの関与も考慮に入れなきゃいけないし。
そもそも乳児は一日単位で成長してるから、同じ条件で再検証とかできないし・・・。
「母乳の質が悪いと乳児の髪の毛が逆立つ」説の真偽が解明されるまでには、膨大な実験とデータが必要そう!
でもねえ、そんな検証、おそらく、未来永劫、誰もやらないでしょう。
だって、髪の毛が逆立ったからなんだっていうのさ!
どうだっていいじゃん! そんなこと!
こういう、おそらく検証されるあてもないような言い伝えは、へえボタンを押しておく、ぐらいがちょうどいいんじゃないでしょうか。(トシがばれますね)
もし、逆立ったわが子の頭を抱えて自分を責めてるお母さんがいたら、ここにたどり着いて、わははと笑ってくれたらなー、と思いつつ、このコラムを書きました(^^)
■本来の、私の実験について。
寄り道はこのぐらいにして、本来の私の実験について。
それは、
「リノール酸とちくさん物を極力とらない、魚中心の和食を食べている母親の母乳を主な食事として育った乳児は、アレルギーを発症しにくい」仮説の検証です。
(詳しく知りたい方は「アレルギーの原因と改善法」をどうぞ)
被験者は末娘。
最近は離乳食も食べていますが、離乳食作りにも、同じ気遣いをしています。
末娘は一歳二か月になりましたが、今のところ、上の二人のようなアレルギー症状は出ていません。
予想通りの実験結果が得られて、うれしいです。
もちろん、娘の一例のみでは、データとして不十分であることは承知しています。
引き続き、経過観察いたします。