小学生こそ、読み聞かせ。~本好きママのつぶやき~
●子供に集中力がない!とお悩みの方は、DHAと脳についてをどうぞ
いま、読み聞かせの大切さがうたわれ、読み聞かせに力を入れているママさんがたくさんいます。
子供が小さいうちは、ママのひざに乗せて、読み聞かせ。
これはのんびりとやれて、なかなか楽しいですね。
本を選ぶのも、絵が主体だから、そんなに難しいものではない。
だけど、子供が小学生になると、事情は変わります。
子供が字を習いはじめ、より複雑な話を理解するようになるからです。
そして、本の対象年齢が上がる分だけ、文章の割合が増えてきます。
しかし子供は、まだ受け身で、「ママ、本読んで」と言います。
昨日、図書館で、そんなお子さんにこう言っているママさんがいました、
「もう、字を習ったんだから、がんばって自分で読みなさい!
それも練習だよ~!」
「・・・いやいや! ママさん、それは無理です!
この時期にそれ言われたら本嫌いになっちゃいますよ!」
・・・って、言えなかったので、またここに書いてるわけですが(笑)。
■一年生は初めてづくし
小学一年生。それは、たくさんの「はじめて」にぶつかる時期です。
字を書くのも初めて、読むのも初めて。
ある程度練習すれば、字の読み書きはできるようになるでしょう。
ただ、「字の読み書きができる」は「読書できる」とイコールではありません。
例えばあなたが、すべてローマ字で書かれた日本語の文章を渡されたら、どうでしょう。
音読に精いっぱいで、しっかり意味をとるのは無理ではないでしょうか。
一年生にとって、ひらがなの音読は、私たちにとってのローマ字の音読のようなものだし、
「自力で文章の意味をとる」のは、まるきり初めてです。
(てにをはなんて、最初はほんとにむずかしい。)
それを一気にやるのは、ものすごくストレスがかかります。
物語に入り込むなんてこと、出来っこありません。
それを強制し続けると、文字に慣れる前に、「読書」を投げ出してしまいかねません。
■一年生こそ読み聞かせを
このときこそ、お母さんが手を引いてやらなければならない!
今まで以上の名女優ぶりを発揮して、情緒豊かに「ちょっと複雑な」物語に引き込んでやらなければならないのです。
文字がたくさんの本は、怖くないよ、
文字だけでも、こんなにありありといろんなことがわかるんだよ。
文字というのは、すごい道具なんだよ。
そんな風に感動することによって、子供は「文字」を使いこなせるようになりたい、という動機を得る。
そう思った子は、勝手に努力するでしょう。
たとえば、誰だって、突然ギターの運指を教えられ、練習しろと言われても、やる気になれるもんじゃない。
だけど、ジミヘンに感動した少年は、誰が教えなくても、寝る間も惜しんでギターの練習をするでしょう。
(ジミヘンは古いか・・・(笑)今なら、BOOWYの布袋さんとか? ・・・まだ古い?)
それといっしょ。
学びの動機が感動と好奇心であるとき、学習はスムーズです。
このイカした新世界にアクセスするためには、この新たなツールをモノにしないと話にならない!
そう思わせたらしめたもの。
だからママさんがすべきことは、勉強しろとはっぱをかけることではない、
文字の向こうに、すてきな世界を見せてやること。
つまり、素晴らしい本を選び、読み聞かせてやることです。
それがお子さんの「お気に入り」になり、文章を覚えてしまうぐらい読んでもらった後で、
ふと、「これなら、もう自分で読めちゃうかも」と手に取る日が来るんです。
そこで初めて、「字を読むこと」と「文章の意味をとること」が統合され、おおきな達成感を得る。
それが、最初の読書にいたる最適なみちだと、本好きとしては思うわけです。
■こんな本はいかが?
とはいえ、子供のために、どんな本を選んだらいいかわからない!
そんなあなたのために、今日は一年生ぐらいの読み聞かせに適した本を紹介してみます。
あくまで私の好みです(笑)
おいおい、この展開、ありえない!
だけどぐいぐい引き込まれる!
こういう「繰り返し」で構成される話、楽しくて、子供は大好きですね。
下読みをちゃんとして、テンポよく読みましょう!
繰り返しの話では『おとなしいめんどり』『おやすみみみずく』などもお勧め。
有名な本ですね。
悲しいけれど美しい、人間と馬の友情が描かれています。
ぜひ図書館で馬頭琴のCDを一緒に借りてきて、読んだ後に聴いて浸りましょう!
モンゴルの昔話は、切なく心に残るものが多く、悠久な自然の描写も印象的で、お勧め。
『石になったかりゅうど』も、ずしんとくるお話ですよ。
絵本の世界には、オオカミがよく登場します。
それは、赤ずきんを襲ったり、ヤギを食べようと策略をめぐらす、ちよっとコミカルな悪者でした。
だけど、この『オオカミ王ロボ』に出てくるオオカミは、本物のオオカミ。
大きさや、残忍さや、ずるがしこさが生き生きと描写され、ほんとにぞっとさせられます。
そして、その最後も、生き物としてのリアリティにみちて、わたしたちの胸を打ちます。
「すごいの読んじゃった・・・もう子供じゃないぜ・・・」みたいな体験にもってこいの本です。
読み聞かせは、ママも楽しむことが一番!
この際だから、と、児童文学の名作にも親しんでみてはいかがでしょうか。