料理酒にはなぜ塩が入っているのか。
先日、ものごとの進化って面白いなあ、と思うことがありました。
ママ友と、和の調味料について話していた時です。
ママ友「そういえば、うち、料理酒は塩無添加のやつにしたんだ」。
佐「え? ・・・塩無添加の料理酒?」
友「うん、塩分を控えたほうがいいでしょ。塩無添加のが出たんだよ?」
ネットで探したら、ホントにあった!
うはは、これは面白い!
・・・えっ、何が面白いかわからないって?
では、解説します。
■「料理酒」昔話
昭和15年、和の調味料に関係の深い、ある法律が制定されました。
それは「酒税法」。
日本酒はもちろん、日本酒と同じぐらいのアルコールを含む味醂も、高い酒税の対象。
酒税がかかると、商品の値段が高くなっちゃうんですね。
当時の食卓の調理においては、日本酒は必需品。
それが酒税で高くなる! 火でアルコール分は飛ばしてしまうのに~!
主婦にとっては、きっとそんなかんじだったはず(笑)
(写真はイメージで、借り物です(^^))
でも、この酒税法には抜け道があって、
1 アルコールを1%以下に抑える
2 不可飲処理をする
(塩とかを加えて、とてもじゃないけど飲めなくしちゃう。本来は廃棄処理用の手段)
どちらかの条件を満たせば、「酒類じゃない」となるのでした。
つまりそうすれば、酒税がかからない。
そこで、多くの主婦の需要にこたえて、
どっさり塩を入れたお酒(料理酒)や、
どっさり塩を入れたみりん(発酵調味料)や、
アルコール度数を抑えたり、どっさり酢を入れたりした、みりんっぽいもの(味醂風調味料)
・・・が、作られたわけです。
これらが安く買えるようになったので、主婦たちは助かりました。
しかも、酒屋以外で買えるようになったので、便利になったんですね。
ただそれらは、
やたらしょっぱい(すっぱい)、
あるいは、
アルコールがもたらす調理効果(生臭みを抑えたり、煮崩れを防いだり)が不十分、
という欠点がありましたが。
これらのなんちゃって系と言える調味料が作られ始めたのは、昭和20年代。
これ以降に料理デビューした人は、何の疑問も持たず、これらのなんちゃって系調味料に親しんでいる可能性があるでしょう。
■「料理酒」の今
さて、今世紀初頭にかけて、小泉総理が酒販免許制度を規制緩和しました。
なので、今では、ほとんどのスーパーにもコンビニにも酒類が置かれるようになりましたね。
もちろん、本物のお酒も、味醂も、しっかりおいてあります。
さて、その横で、なんちゃって系調味料はというと、今も「安い」というメリットがあるので売られ続けています。
・・・それは、わかるのよ。
その隣にある、「塩無添加の料理酒」。
アルコール度数?・・・ばっちりあります。
酒税?・・・がっちりかかってます。
どうです?
「・・・日本酒、買えばよくない?」
って、ツッコミたくなりませんか(笑)?
ただ、説明書きをよく読んでみると、しっかり差別化してあって、
普通のお酒に比べて、うまみ成分がたくさん含まれているとか、料理酒として特化した成分になっているようです・・・ふむふむ。
それにしても「安さ」を追求してうまれた「料理酒」という商品ジャンル。
それが、独自の「品質」を追求し始めた!
これは、料理酒の歴史が生み出した、あらたな局面ですよ~ヽ(^o^)丿!
■「清酒」をお勧めしますが・・・。
当サイトとしては、
「昭和30年代のものを使ってみよう」
という姿勢で行きたいので、料理酒としては普通の清酒(日本酒)をお勧めします。
ちなみに私はいつも純米酒を使っています。
お米と米麹だけで作られたもので、濃厚で甘口です。
(ライトな味をお好みなら本醸造がいいと思います。)
ただ、わたし、塩無添加の料理酒、買ってしまうかも(笑)。
というのは、料理用とはいえ純米酒なんか置いてると、ついつい、飲んでしまうから(笑)
だって・・・おいしいんだもの。
子どもがみんな寝着いた! 長男の寝かしつけした旦那もついでに寝付いたみたい!
・・・てなときに、ついつい(笑)
でも、塩無添加の料理酒なら、料理用に特化されたしろもの。
あんまり美味しくなさそうだから、飲む気にならないかも、と思うのです。
・・・と思って検索していたら、
なんと、純米酒の料理酒もあるではないか!
ナニこれ! おいしそう!
買ってみようかな!
駄目だ! 自分、飲む気満々じゃん!