冷やしたぬきの誘惑。
さて、また私のひとりランチの曜日が来ました。
本日はですね、お蕎麦屋さんに参りました。
お蕎麦屋さん! 大好きです!
小さいころは何とも思ってなかったけれど、大きくなるにつれて、その素晴らしさが分かってきました。あのシンプルでストイックな感じがですね・・・。
ってことで、今日は暑かったので、お蕎麦屋さんで冷やしたぬきを注文したのでした。
■冷やしたぬき蕎麦とは、何か。
こんな感じでしたよー。ちなみに砂場。
揚げた海老、かにかま、椎茸が入ってる!つゆは濃い目。
ええ、とってもおいしくいただきました。
とはいえ正直、私の期待していた冷やしたぬきではなかった・・・。
しかし、冷やしたぬきの具材ってそんなに自由なのか!とびっくり。
そういえば、わが家の近くの蕎麦屋さんのたぬきそばには、ゆでたもやしが入っていたっけ。
(私としては許せなかった・・・(笑))
・・・これは、ひやしたぬきの定義が気になる!
ってことで画像検索してみると、けっこういろんな冷やしたぬきが・・・。
(画像はネットから拝借)
(↑生卵、大根おろし?)
(↑ハム!)
(↑紅ショウガ)
(↑レモン、レタス、プチトマト!)
共通点はもちろん、揚げ玉(天かす)が入っていること。
オーソドックスなのは、こんな感じみたいですね。
・・・うーん、わたしはあんまりいろいろ載せないでほしいなあ。。
きゅうりとなるとでいいなあ。
■油はうまい。
さて、冷やしたぬきといえば、先日、印象的な出来事がありました。
家族で蕎麦屋に行ったときのことです。
私は冷やしたぬきを注文、息子は大好きな柏南蛮を注文しました。
そして息子は、私の前に来た冷やしたぬきを
「ふーん・・・そんなつまんないのが好きなのかママは。おばちゃんだなー」
みたいな冷めた目で見てました(笑)。
しかし、ちょっと換えっこして、私の冷やしたぬきをずずっとすすって、
「ナニこれおいしい! ママのやつ美味しい!」
わはは、目がキラキラしてる(笑)
そう、油は、それほどにおいしいのです。
天かすは、つゆのおいしさを何倍にもしてしまう。
天ぷらそばほどじゃなくても、十分美味しくなるのです。
この油の奥深いうまさこそ、たぬきそばが命脈をたもってきた理由なのでしょう。
改めて、油ってすごい。
だから怖くもあるんですが。
加工品にがんがん入れられるのも、納得がいきますよね~。
■たぬきそば、あれこれ。
さて、そんなたぬきそばですが、
そもそも食べられ始めたのは、そんなに古くなく、明治後期~大正時代みたいです。
江戸時代の文献には、たぬきそばと思われる記述がないようですね。
ちなみに「たぬき」の語源は、
「タネ(具材)抜き」の天ぷら、からの派生・・・とか
砧(きぬた)さんが始めた・・・とか
他にもいろいろ説があるようですが、はっきりしていないようです。
なみに、「きつね」はもっと古く、江戸時代には既に食べられていました。
なので、語源はどうあれ、それに対応する形で「たぬき」となり、落ち着いたのでしょう。
ちなみに関西では、天かす入りは「たぬき」ではなく、「ハイカラ」と呼ばれているらしいです。
ハイカラというと、明治後期の、西洋かぶれをさす言い方。
やはり、天かすを入れる食べ方はそんなに古くはないですね。
とにかくですね、
これは私の勝手な想像ですが、たぬきそばの発生は、
「本当は天ぷらそばを食べたいけど、高いんだよねー!」って人が天かすを入れて食べだした、んじゃないかしら。
あるいは、
「この蕎麦まずいけど、天かす入れりゃ食えるぞ!」的な発想かもしれない。
すると、おそらく戦中戦後の食糧難に広まったのではないかと・・・。
特に冷やしたぬきは、戦後だと思うのです。
だって、冷やしたぬきって、パッと見、冷やし中華みたいじゃないですか。
冷やし中華の流行は戦後です。
冷やしたぬきは絶対、冷やし中華ありきの発想だと思うんですよ。具材被ってるし・・・。
でも、でもね!
だからこそ、しっかり差別化するべきだと私は思うのです。
蕎麦は本来シンプルな食べ物。
冷やし中華好きにおもねったような、ハムとか、錦糸卵とかの、キラキラした具材を載せてはいけないと思うのですよ!
冷やしたぬきは、天かすがのってれば、あとはシンプルでよい!のです(机ドン!)!
(そう主人に言ったら「俺は冷やしたぬきに対して君ほどの執着がない」と言われました(;_;))
・・・まあそれはいいとして(笑)、
油が気になるけど、てんぷらそばがやめられないという方。
この機会にたぬきそばを試してみるのはいかがでしょうか。
おそらく、油の摂取量は、比較的少なくて済みそうです。
だけど、てんかすてんこ盛りの店もあるようなので、みなさんお気をつけて。
(↑こりゃすごい!)