「うちの子、体が弱くって・・・」の落とし穴。
■「うちの子、体が弱くって・・・」
先日、あるママさんと話していたときのこと。
お子さんは八歳。アレルギー症状がなく、身体も大きい。
けれど、気になることがあるという。
「身体が弱いんだよね。風邪をひくとすぐ熱を出して寝込むの。
だから、もっと丈夫になるように、食事には気を使ってはいるんだけど。
どうしたら体が強くなるの?」
そこで、前日の食事内容を聞いてみると、
朝:目玉焼き、ウィンナー、サラダ(ドレッシング)、食パン(バターとジャム)、ヨーグルト
昼:給食
おやつ:ピザ、豆乳、みかん
夜:親子丼、ポテトサラダ、ブロッコリーのチーズ焼き、サツマイモの味噌汁
「できるだけ自然なものをと思って。
食パンはホームベーカリーで焼いてるし、ドレッシングとかジャムも手作りしてる。
・・・栄養、足りてるよね」
とママさん。
「うーん・・・。どっちかっていうと、食べさせすぎかもしれないよ」
「えっ? どういうこと?」
■熱の正体。
「そもそも、熱って、体が弱いから出る、わけじゃないよ」
「どうして? ウイルスに負けたから出るんじゃないの?」
「ううん、そうじゃないよ。
熱は身体の武器で、敵をやっつけようとして出ているものなの。
火炎放射器みたいなものだよ。
つまり、すごーく戦ってるわけ」
「えー、そうなんだ。
でもさ、友達は寝込まない風邪であの子だけ寝込むんだよ?
それは弱いってことにならないの?」
「それは弱いんじゃなくて、たぶん、戦いすぎている。
小さな敵に、必要以上に大きな戦争をしかけているってかんじ」
「えー、なんでそんなことになるの?」
「身体に、武器とか、兵隊とかが集まりすぎてるんじゃないかなあ。
すると、ちょっとしたことで、あっというまに戦争が始まっちゃうわけ」
「武器? 兵隊? それって何からできてるの?」
「摂りすぎた植物油、それから肉、卵、乳製品」
■過ぎたる栄養、及ばざるがごとし。
「洋食、肉が中心なら、子供の食が進む」と考えているママ。
「ごはんを残しても、オカズはちゃんと食べなさい」と言い聞かせているママ。
このようなタイプは、子供に食べさせすぎていることが多いようです。
しかも、子供の不調を栄養不足ととらえてしまい、更に食べさせる、という悪循環に陥りやすいです。
どんなにすぐれた栄養をとっても、その子の身体の処理能力を超えてしまえば害になります。
植物油は身体を炎症体質にし、タンパク質はやっかいなポリペプチドとなって身体をめぐり、
アレルギーをはじめとする、さまざまな症状の原因になります。
(拙著『アトピーが消えちゃった! マンガでわかる体質改善』より)
安くて、おいしくて、栄養豊富な食べ物が街にあふれている今、
私たちは、栄養不足と同じくらい、栄養過剰を心配しなければならないのです。
子供の食事は、和食をペースに、
ごはんを主体に、
油、糖分をできるだけ控え、
タンパク源は魚か大豆製品にするとよいでしょう。
基本を守れば、たまに脱線しても大丈夫。
ある日の我が家の晩ごはん。
長男は、喘息も、熱けいれんも、季節性結膜炎もおさまり、以前よりずっと丈夫になりました。