ホイップクリームは植物性脂肪って、常識(゜o゜)?　

 
 

さて、
植物性脂肪を含んでいてもホイップさせれば「ホイップクリーム」なのだが、
それを使った加工食品の原材料に「ホイップクリーム」とだけ記載するのは、
 

“生クリームをホイップさせたもの”
 

であるという誤解を招くように感じられるが法律的にどーなのか？

 

ですが。
 

 
結論を言うと、「問題はない」となりそうです。
 

以下、ものすごくざっくり、意訳しつつ解説いたします。
 
 

■ふくごう・・・げんざいりょう?
以下、ＪＡＳ法に基づく加工食品品質表示基準第４条(2)が定めていることを解説します。
 

たとえば、ある人がトマトを売ろうとします。

トマトは生鮮食品なので、もちろん、表示なんかしないで売れます。
 

さて、このトマトで、トマトピューレを作ったら。

これは加工食品なので、裏に「原材料」を表示しなければなりません。
原材料表示は、量が多い順にします。多分こんな感じ、
 

食品名　トマトピューレ
原材料名　トマト、食塩
 

で、さらに、このトマトピューレを使って、パスタのトマトソースを作ったら。

これは、加工食品を原材料として作った加工食品、になりますね。
この最初の加工食品(トマトピューレ)を、「複合原材料」と呼び、()に入れて原材料を書きます。
 

食品名　トマトソース
原材料　たまねぎ、トマトピューレ(トマト、食塩)、トマトケチャップ(トマト、砂糖、醸造酢、塩、玉葱、香辛料)、人参、ピーマン、砂糖・・・
 

うーん、原材料が長くなってきましたね。
そう、加工食品を使って加工食品を作ると、原材料の表示は膨大になってしまうのです。
このトマトソースを使って作った「たっぷりトマトのボロネーゼパスタ」となればもっと大変。
 

ですから、加工品に使われている加工品の原材料は、 
1　量が少ない場合(加工品の総重量の5パーセント未満)
2　その加工品の名前を書いとけば、原材料の見当がつく場合
表示しなくてもよい、となっています。

 

上記の、トマトソースにおけるトマトピューレの場合は、2の条件を満たしています。
トマトピューレの原材料と言えば、たいていの人は見当がつくからです。
 

よって、実際は、トマトソースの表示は次のようになります、
 

食品名　トマトソース
原材料　たまねぎ、トマトピューレ、トマトケチャップ、人参、ピーマン、砂糖・・
 

ここで、トマトピューレの原料である「トマト、食塩」の表示義務は消えるわけです。
 
 

■「ホイップクリーム」の原材料、知ってる・・・よね？
つまり、ホイップクリームを使った加工品の裏を見たとき、
ホイップクリームの原材料が省略されているなら、
 

1　ホイップクリームの使用量がその加工品の総重量の5パーセント以下
2　ホイップクリームって書いとけば、植物性脂肪だ、って見当がつくだろう 

のどちらかだってことになります。
 

ホイップクリームががっつり入ってる洋菓子では、2、である場合が多いと考えられます。
 
・・・みなさんは、どうですか?　見当つきますか?
 

うーん・・・
私は、見当つかないと思うなあ・・・。
何も知らなかったら、何でもおいしく頂いてしまうたちだし、食べても気づかないかも。
 

参考までに、ママ友五人に聞いてみました。
すると、やっぱり誰も、ホイップクリームが植物性脂肪だとは知りませんでした。
 

しかし、作り手が、「見当がつくだろう」としてしまえば、そういうことになってしまう。
 

そのラインが不明確であることは問題視されてるようですが、今のところ、変わる気配はないようです。
 
 

■さらなるトラップ!
さて、ホイップクリームについて、そこまでは知っていた私。
しかし今回、クリスマス用のロールケーキを買いに行ったとき、ちょっとびっくりすることが。
 

そこにあったのは、商品名「生クリームロール」。
 

 

「生クリーム仕立ての」でも「生クリーム使用」でも「たっぷり生クリームの」でもなく、
「生クリームロール」！
 
「おおっ、生クリームのみのロールケーキがあるんだ、やったあ」
私はよろこび、それをかごに入れようとしました、
 

しかーし！　そこで一応、裏を見て見たところですね、
 

 

おーい！　ホイップクリーム入ってるじゃん！
てゆーか、ホイップクリームの方が、生クリームより多いんじゃーん！
(原材料は、容量が多い順に記載されます)
 

これはさすがに、不当表示じゃないの！？ 
 
 

年をまたいで続く・・・