自然出産できる人の条件。~自然出産のリスク その1~

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2016年8月29日 月曜日

自然出産できる人の条件。~自然出産のリスク その1~

第三子、Мが生まれて、一か月が経ちました。
 
三人目ともなると、だいたいの成長の道筋も、乳児育児の手の抜きどころも、わかっています。
なので、子供の数が増えているのに、1人目よりずっとラク、という不思議な事態に(笑)
 
思えば一人目Pの産前産後は、あらゆることに戸惑い、迷い、調べまくったり、ビビったりしながら、手探りで進んだものでした。
 
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いま、Мのお産や成長の折に触れ、それらを思いだすので、ちょこちょこと記事にしてみようと思います。
 

今日は「自然出産」について、書いてみます。
というのは、最近FBで、無介助の自宅出産の映像が、たくさんの賞賛のコメントと共に、何度か流れてきたので。
 

結論から言うと、私は「自然出産」という言葉が広まることが、非常に危険だと感じています。 
 
 

■「自然なお産」とは
そもそも、70年ほど前までは、お産とは医療とは無関係な営みでした。
それが、高度経済成長期に医療の現場に移ります。
 

病院でのお産においては、医師の判断のもと、状況や必要に応じて、さまざまな医療行為が行われます。
帝王切開、陣痛促進剤の使用、鉗子、吸引分娩などです。
 

助産師さんのなかには、そのような傾向が行き過ぎていると感じる人々がいました。
その人たちを中心に、医療行為ができるだけ介入しないお産をしよう、妊婦さんや赤ちゃんにお産の主体性を取り戻そう、というムーブメントが起こります。
その場合、分娩は助産師の介助により、妊婦さんの自宅や助産院で行われることが多いようです。
 
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これがいわゆる「自然出産」。
90年代からメディアに取り上げられるようになり、一般的に知られるようになりました。
(以後、「自然出産」を、病院以外の場所、妊婦さんの自宅か、助産院での出産として話を進めます)

 
 

■「佐々木さんは無理だよ」
さて、一人目を妊娠した七年前、実は私もこの自然出産に関心がありました。
(当時は今より、いわゆるナチュラル系情報に弱かったのです(*^_^*)>)
 

なので、産婦人科で胎動が確認できたとき、先生に聞きました、
「先生、この辺に、助産院ってありますか?」
 

「助産院?」
先生は怪訝そうに言うと、私のカルテを手にし、こう言いました。
 
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「佐々木さんはできないよ。RH-でしょ」
 

・・・がーん(゜o゜)!
 

(RH-とは、まあちょっとレアな血液型。とはいえ、あなたの周りにもちらほらいる、程度にはいます。
妊娠出産に当たっては、ちょっと特別なケアが必要です。現在では、危険はほとんどないですが)
 

「でっ、でも、健康な妊婦なら誰でもできるって・・・」
 

「いくら健康でも、RH-の人は無理。門前払いだよ。諦めて普通の病院で産んでね」
 

「・・・・・・(:〇;)」
 

こうして、具体的に思い描く前に、あっけなく絶たれてしまった私の自然出産の夢。
 

まあ、努力のしようもないし、しょうがないか・・・。
そんな感じで、言われた通り自然出産はあきらめ、1人目は普通の病院で出産。
 

それきり、自然出産は自分に無関係のこととして忘れておりました。
 
 

■・・・えっ、私がリスク妊婦?
さて私は、昔から、恥ずかしいぐらい健康な人間でした。
 

しかも母方は、母自身四人を安産した、安産の家系。
(ついでに言うと、私の曾祖母は昭和の名助産師と言われた人、祖母も助産師で、姉と私は二人に自宅で取り上げられています)。
そして、私の姉も、妹も安産。
なので私は、自分がお産のトラブルに見舞われるわけはないと思っていました。
 

しかーし!
 

第一子のときは、臨月で子宮頸管が短くなり、数週間の自宅安静を余儀なくされました。
そして、第二子のときは切迫早産により、29週から約二か月間の入院生活を送る羽目になってしまったのです。
(今回の第三子の妊娠でも、32週から一か月ほど入院しました)
 
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入院生活を送った大学病院には、たくさんの、リスクを抱えた妊婦さんが入院していました。
私と同じように切迫早産の人。前置胎盤の人。妊娠糖尿病、妊娠中毒症、不育症、ひどいむくみ、強いお腹の張り、多胎妊娠・・・。
 

くわえて、毎日のように入院してくる新しい患者さん。
医師や看護師があわただしくばたばたしているときは、「誰かに何かあった?」と心配で安眠できないこともしばしば。
 

けれど、私をはじめ、ほとんどの入院患者さんは、入院する日までは、普通の妊婦さんだったのです。
 

・・・なのに、どうしてこんなとこにいるんだろ?
私たち入院患者は、不安や、情けなさや、申し訳なさにさいなまれながら自問しました。
 

けれど、その答えは得られませんでした。
妊娠、出産にまつわるほとんどの疾患が、原因不明とされていたり、予防が難しかったりするからです。
 
 

■自然出産は、狭き門?
さて、話を自然出産に戻しますが、
私を含めたリスク妊婦は、自然出産したいと言っても、絶対にさせてもらえないでしょう。
(私はそもそもRH-なので無理ですけど)
 

たとえば、「自然出産、条件」で検索すると最初に出てくる助産院のホームページでは、受け入れられる条件として、以下の項目に一つも当てはまらないこととされています。
(産院によっては、もっと厳しいところもあります)
 
□ 合併症がある(喘息、甲状腺機能異常など)
□ 感染症がある(B型肝炎、C型肝炎、HIV等)
□ 子宮筋腫がある。または子宮に異常がある
□ 子宮の手術をしたことがある(筋腫核出など)
□ 帝王切開をしたことがある
□ 血液型がRh(-)である 
□ 前置胎盤といわれている
□ 胎児に異常がある(胎児発育遅延、奇形など)
□ 羊水に異常がある(羊水が多い・少ないなど)
□ 妊娠経過に異常がある(高血圧、高血糖など)
□ 多胎妊娠である(ふたご、みつごなど)
□ 逆子(骨盤位)がなおらない)

 

以下の項目に当てはまる場合は要相談とのこと。
 
□ 喘息の既往がある
□ 不妊治療による妊娠である
□ 高年初産である(35歳以上)
□ 前回の妊娠・出産で異常があった(早産、胎児異常、出血多量など)

 

・・・うーん、
これだけの条件を挙げたら、かなりの割合の妊婦さんがふるい落とされちゃいそう。
私のまわりのママにも、大学病院ほどの割合ではないにしろ、上記の項目に当てはまるママがちらほらいます。
 

けれど自然出産を推奨する本には、このような文言が並びます、
 

「昔はみんな、自宅で産むのが当たり前だった」
「昔は、お産は特別なことではなかった」
「お産は病気ではないのだから、医療行為は基本的に必要ない」

 

これが本当だとしたら、昔の妊婦さんは、今の妊婦さんよりも丈夫で健康だったのだろうか。
だとしたら、どうしてなんだろう。
 
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(↑ ほとんどの人が自宅出産をしていた昭和初期の写真)
 
ちょっと気になったので、調べてみました。
 
・・・「アレ?」
そして私、ちょっとびっくりしたのでした。
 

長くなっちゃったので、その2に続く。
 




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