娘Mの顔のあざと、佐々木が久々にビビった話。前編
■誕生した次女Мの顔には赤いあざがあった!から始まる騒動の連載記事です。
1 娘Mの顔の、赤いあざの話。
2 娘Mの顔のあざと、佐々木が久々にビビった話。前編
3 娘Mの顔のあざと、佐々木が久々にビビった話。後編
4 娘Mの赤いあざの経過と、佐々木が主治医に意見した話。
5 娘Мの顔のあざがどうやら消せない話。
6 娘Мの顔のあざについて佐々木がやっと安心した話。
「娘Mの顔の、赤いあざの話」から数日後の、退院前日の朝。
病室に主治医が来て、緊張した面持ちで、こう言いました。
「佐々木さん、今日、皮膚科の○○先生が来てほしいって。
あと、眼科と小児科の先生にも会ってもらうかも」
「……眼科と、小児科?」
そう、娘のあざについて、もうひと波乱があったのです。
■皮膚科→眼科→小児科?
皮膚科で、例の○○先生が、説明してくれたことには。
・二度目の診察をしたところ、単純性血管腫だと思われる。
・顔面の単純性血管腫の範囲が広い場合、視神経や脳にも血管腫が存在していて、各機能を圧迫し、障害を生じることがある。これをSW(スタージー・ウェバー)症候群という。
・Mちゃんのあざは範囲が広いので、視神経や脳機能に障害が出ていないか、経過観察をしたほうがよい。
「障害」と聞いて、動揺した。
その日の昼過ぎ、Mと共に眼科に呼ばれた。Mは目薬をさされて、泣きながら診察を受けた。
眼科医曰く。
「緑内障の傾向はありませんでした、眼圧も正常です」
「……では、SW症候群ではないということですか?」
「いえ、今のところ目に異常は見られない、ということです。今後のことはわかりません。目に異常が出ない症例もありますし。
定期的に診たいので、一ヶ月検診のときにこちらにも来てください」
「……」
病室に戻り、次は小児科か、と待っていると、看護師さんが来て、こう言った。
「佐々木さん、小児科の先生は、来なくていいって」
……なんだか、話が断片的で、よくわからない。
いつ、誰が、Mの全体的な診断をしてくれるんだろう?
そもそも、SW症候群って、どんな病気なんだろう?
■怖い、怖い、怖い
病室に戻って、SW症候群について調べてみた。
思ったより、深刻な病気だった。
病気の特徴は、顔面に赤いあざがあること。
そのあざ(血管腫)が、視神経までおかしていると、緑内障、牛眼(目が飛び出してくる)などになる可能性がある。
脳まで侵していると、難治性のてんかん、麻痺、精神遅滞、発達遅滞などを起こす可能性がある。
症状は、いつでるかわからない。
新生児のうちに症状が出た場合、予後はよくない……
カーテンで仕切られた狭い病室で、SW症候群について調べまくっちゃった私。
日が落ちる頃にはすっかり、涙と嗚咽が止まらない、おかしな状態になっていた。
主人にすがり付きたくなって、面会に呼ぼうとした。
そしたら、こんなメールが入ってた。
「今日はシン・ゴジラに行ってくる(^o^) ヤッホー」
そうか、主人は、子供たちをわたしの両親に任せて、ひさびさの休日だ。
……やっぱり自分でなんとかしよう、と思った。
長くなっちゃったので、「娘Mの顔のあざと、佐々木が久々にビビった話。後編」に続く