グリーン・スムージーの落とし穴。
「卵かけごはんに要注意」をアップした後、グリーン・スムージーに関する質問をいくつか頂きました。
なので今日は、グリーン・スムージーの注意点について書いてみます。
グリーン・スムージーとは
グリーン・スムージーは、緑の野菜、果物、水をブレンダーなどにかけ、ドリンク状にしたもの。
一日のうち一食をこれに置き換えると、色々な健康効果があるらしい。
アメリカ発の習慣らしいですが、最近、日本にも愛飲者が増えたようですね。
利点と効果は、次の通り。
利点
・手軽に沢山の野菜がとれる
・嫌いな野菜もとれる
・熱を加えないので、食品の酵素を壊さず摂取できる
(酵素とは、消化や代謝に必要不可欠な物質だが、熱に弱い)
・油、塩分、糖分などをとらずに済む、など
効果
ダイエット、美肌、便秘解消、体質改善、アンチエイジングなど
好転反応って?
ただ、グリーン・スムージーを習慣にすると、健康効果が現れる前に、以下のような症状がでやすいようです。
頭痛、吐き気、眠気、肌荒れ、倦怠感、下痢など
とはいえ、これらは、一時的なもの。
スムージーの浄化作用で、体にたまった毒素がデトックスされる際におこる、とされます。
短くて数日、長くても二週間ほどで、おさまるとのこと。
このうち、最も出やすく、辛いのが下痢。
これは、排泄作用が活性化することや、野菜などに含まれる、便を緩くする成分のはたらきもあるそう。
いずれにせよ、好転反応です。
体が慣れるまでは、スムージーの量を減らしたり、水を増やしたりして様子を見ながら、乗りきりましょう
……とだけ書いて、励ましているサイトがけっこう多いのですが。
もしあなたが、次のような飲み方をしているならば、その下痢は、好転反応とは限らないかも……。
グリーン・スムージーで始まる一日。
「朝、目を覚まし、キッチンへ向かう。
冷蔵庫から新鮮な野菜と果物を取りだし、グリーンスムージーをつくる。
ごくごく、ぷはー
今日も美味しい
忙しい朝には最適。
朝はグリーン・スムージーに置き換えたから、あとはちょっとカロリー高くても大丈夫
お昼は、イタリアンに行こうかな~(^o^)」
そのとき、体では
このような飲み方の、いけないところとは。
冷たい食材を使うこと。
冷たいものを、朝の空腹の胃に流し込むと、体温は急激に下がり、消化、代謝機能も低下します。
氷をいれちゃったりしたら、なおのこと。
ごくごく飲むこと。
「卵かけごはんに要注意」で解説したように、飲み込みやすい食品=消化にいい、ではありません。
細かく砕かれていたとしても、唾液とよく混ざり合っていなければ、うまく消化されません。
グリーン・スムージーは、言ってみれば、流動食。もとは食べ物です。
消化されず、そのまま腸に進んだスムージーが、下痢を起こすことがあるのです。
スムージーの後の食事、に気を付けないこと。
スムーズな消化のために、胃腸は食べ物を移動させようと蠕動運動を繰り返します。この動きは、固形物が入ってきたときに活発になります。
スムージーのような、流動食だけの食事では、これが起こりにくいのです。
つまり、今までの朝食をスムージーに置き換えた場合、確かに胃腸を休めることはできるでしょう。
けれどそれは、言い換えれば、スムージーによって、胃腸のはたらきが低下しているわけです。
そこに、急にこってりしたものを放り込むとどうなるか。
胃がびっくりして、うまく蠕動運動を起こせず、消化不良となり、その結果、下痢がおこることがあるのです。
この場合、デトックスされているのは、体にたまった毒素ではなく、いま食べたランチ
……悲しすぎる
このような下痢は、好転反応とは違い、単なる消化不良。
待っても改善されるどころか、ひどくなってしまうことも。
グリーン・スムージー・ダイエットを下痢でリタイア、という方は、恐らくこのような下痢に苦しめられたのではないかと思います。
……恥ずかしながら、これは私の実体験。
学生時代、当時流行ったフルーツジュースで、悲しい下痢に見舞われてリタイアしました。
今回書いたことは、そのとき、お医者さんに聞いたことです(^-^;
グリーン・スムージーの注意点
このような症状に苦しめられないよう、グリーン・スムージーを飲むときは、以下のことに気を付けましょう。
①常温で飲む
②唾液と混ぜて、噛むように、ゆっくり飲む
③食事はよく噛んでゆっくり食べる
また、お子さんに与えるときは、少量にし、あくまで食事の補助とした方がよいと思います。
健康食品に飛び付くなかれ
新しい健康食品は、常に、大きな利益を産む可能性を秘めています。
そのため、宣伝にはメリットが誇張され、また、息の長い消費を促すため「毎日の習慣にしましょう」と繰り返されます。
けれど、毎日の食習慣に新しいものを取り入れることには、慎重になって、なりすぎることはありません。
新しい健康食品にひかれたら、イメージだけで始めず、必ず、注意点や、リスクや、デメリットも調べましょうね。