マーガリンとバターを外に放置してみた。(閲覧注意!)
さて、前回のコラムにも書いたように、シルバーウィークはおじいちゃんちに行ってきました。
それは壱岐! 長崎県のはずれにある離島!
青い海と、おいしいお魚と、新鮮な卵(おじいちゃんちは島で唯一、養鶏を営んでいるのだ!)。
そして、はしゃぐ子供たちに囲まれた、それはそれは幸せな四日間でありました。
■山本義一という男。
さて、現在、おじいちゃんちの主は、私の従兄、山本義一・42歳。
通称よっちゃん。二児のパパ。”しまのたまご屋さん”社長。読書家。
遠い壱岐で、ずっと私の育児マンガを愛読してくれていたという。
よっちゃん(以下、よ)「愛ちゃんのマンガ、油についち、考ゆるきっかけになったとよ」
(壱州弁が大好きなので、そのままお送りします)
佐々木(以下、さ)「そうなんだ、嬉しいなあ」
よ「前はマーガリンば、いっぺえ使いよったけん、すぐやめち、バターにしたと!」
さ「それはよかった」
よ「そうしたら、心室細動があったとばってん、少のうなったとよ~!
本に『トランス脂肪酸は心臓疾患のリスクを上げる』ち書いちょったけん、それかもしれん、ち思うた」
さ「へー! さすが、いろいろ読んだんだねえ。とにかくよかったねえ」
よ「こりゃ疑問ばいねー、ち思うたら、やっちみるタチやけん。(←同じ血か?)
そうそう、あれもやっちみたったい! 愛ちゃんに見ちもらわにゃー、ち、思うとったばい」
さ「えっ、なになに?」
そして出てきたのが、これらの写真であった・・・。
■マーガリンは虫も食べない・・・はウソ!?
さ「こっ・・・これは・・・!」
そう、フレッド・ロー氏による、あの有名な「マーガリン放置実験」の追試ではないか!
(詳しくは、『危険な油が病気を起こしてる』ジョン・フィネガン 参照)
ちなみにフレッド・ロー氏の実験の結果は、
「この塊は二年たとうともとのままであり続けているようだった。その間どんな虫も一匹としてその塊に近寄るのを目にすることはなかったし、一かけらのかびも生えはしなかった。(中略)私は実験をここでやめた。」
・・・となっているのだが・・・。
すぐ猫に食べられ、猫除けして、実験再開
5日経過
約ひと月経過
さ「・・・。マーガリン、めっちゃ虫来てんじゃん・・・」
よ「じゃろ? むしろマーガリンの方が、いっぺえ来ちょるっとたい」
さ「で、この後どうなったの?」
よ「バターもマーガリンも、食べつくされち、のうなった。マーガリンのほうがいくらか早かったったい」
さ「・・・」
よ「ばってん、そりゃ有塩バターじゃったけん、虫ぁ好きじゃなかっちょねとじゃなかろうか。
有塩バターは、鮮度の悪さば、塩辛さでごまかしちょるけん、云々・・・(深い知識)」
さ「なんにしろ、マーガリンに虫がたかったという事実は動かしようがない・・・」
よ「そうそう、もう一つ写真のあるとたい」
さ「え、なに?」
よ「去年の六月かり、外にほたっちょるけん(放置してるから)、一年以上になるとたい。
これはカビが生えるかの実験用じゃったけん、ふたばしち、虫よけばしたと」
さ「ふむふむ。カビは・・・ほとんど生えてないね。
じゃあ、『マーガリンにはカビも生えない』は、あながちウソではない、ということか・・・。」
■結論
・・・さて、なぜ、よっちゃんの追試は一部、フレッド・ロー氏とは違う結果になったのか。
考えられるのは、実験の条件が違った可能性。
例えば、マーガリンの成分や組成の違い(ちなみに、今回の実験に使用したのは〇オソフトだそうな)。
地域差による虫の食性、気温、などの差。
または、マーガリンをおなかいっぱい食べたアリたちや、その次世代の健康状態(笑)を追跡調査してみたら、興味深いことが判明する・・・のかもしれない。
それらをとことん調べてみるのも、面白そうではある。
が、マーガリンの問題において、「虫が食べるかどうか」にこだわりすぎるのもどうか、とも思う(笑)。
「虫が食べた」からといって、「だからマーガリンは安全だ」「だから人間も食べていい」とはならないのだし。
つまり、この追試実験で得られた成果としては、厳密にいえば、
「壱岐市芦辺町の山本家周辺に生息する蟻はネオソフ〇が好きだ」にとどまる・・・といえる (笑)。
でも、こんな素敵な教訓は得たと思うのである!
「やっぱ、何事もやってみないとわからない。
やれることなら、極力やってみよう!!!」
よっちゃん、ほんとにありがとう!
●こちらもどうぞ マンガ『マーガリンって危険なの?』