ステロイド恐怖症の特徴。(マイロさん 最重症アトピー 20代 男性)
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
前回に引き続き、最重症アトピーがよくなられたマイロさんについて書きます。
1 最重症アトピーの改善例・写真と経過
2 ステロイド恐怖症の特徴。
3 ステロイド恐怖症から解放されるとき。
4 アトピーの食事療法の進め方。
5 アトピーと抗生物質。(終)
マイロさんのお母さん、はるさんは当初、ステロイド使用に強い抵抗をおもちでした。
マイロさんのアトピーが最重症の状態であった当時も、食事療法のみでのアプローチを試みていました。
はるさんに限らず、ステロイド使用に強い抵抗を感じる方は多いです。
ステロイド恐怖症と言ってもいい状態です。
私は、そういう方たちとのやり取りを通して、ステロイド恐怖症の方には、いくつかの特徴があることがわかってきました。完全に私見ですが、以下にまとめてみます。
かつて、皮膚科において、
・患部・患者の顔を見ない診療を受けた
・医師や看護師に怒られた、怒鳴られた、侮辱された
・医師の言うとおりにステロイドを塗り続けてとんでもない目に合った
などの嫌な経験をお持ちの方が多いです。
そのため、皮膚科への不信感とステロイドへの不信感がセットになってしまっています。
この不信感をぬぐうには、信頼できるお医者さんを探していただく以外にありません。
適切なランクのステロイドを処方してくださる医師の存在が、改善には不可欠です。
・ステロイドを使い始めるとランクがどんどん強くなる
・最後は最強ランクのものも効かなくなって、医師に放り出される
・そうしたら大変なリバウンドに耐えなければならない
これは、アトピーをステロイド「だけ」で抑え込もうとしたときに問題になること。
このようなことは、食事療法と併用した場合、一切起きません。
(当サイトで改善していく、もと脱ステ派の患者さんたちを見てきて、そう断言できるようになりました)
・ステロイドの毒素は身体にたまり、とどまって悪さをする?
・アトピーが出たり引っ込んだりの、コントロール不能な状態になる?
・成長を阻害する、将来不妊症になる、動悸息切れ、がんを起こす、精神病の原因になる・・・、などなど、多岐にわたって悪さをする?
しかし、「情報源を教えてください、調べてみます」とお願いした時、返ってくるのはたいていこんな返事です。
↓↓↓
「どこかで読みました」
「友達に聞きました」
「脱ステしてる人のインスタに書いてありました」
データは出てきません。漠然としています。
そして、漠然とした恐怖ほど、人は怖いのです。
この傾向は、治療者が親であり、患者さんがお子さんである場合に顕著です。
大丈夫です。
食事療法と併用した場合、ステロイド使用は適切な範囲内にとどまります。
そして、適切な範囲のステロイド使用にそんな重大な副作用はありません。
思考力を取り戻して、出所の確かな情報を選びましょう。
脱ステ派の言葉には、断定的なものが多いですが、断言している=事実だ というとらえ方をすべきではありません。
当サイトが推奨している食事療法とステロイドの併用による改善率は八割。
けれど、ステロイド使用を悩んでいる方は、必ずと言っていいほど「改善しない二割になるかも」という、前のめりな心配をします。
「それは、今まで、いろいろなことにチャレンジしてみて、そのすべてに失敗してきたから。」と、伊藤龍一さん(もと重症アトピー、今は完治状態)は言います。
けれど、色々なアプローチに失敗してきた方や、脱ステの結果ケロイド状態となった方々が運び込まれていたのが、永田良隆先生がいらした下関病院のアトピー入院病棟。
下関病院は「アトピー患者の駆け込み寺」という異名があったそうです。
そこで臨床的に編み出されたのが、当サイトがご紹介している下関療法です。
また、食事療法とステロイドの併用でも改善しなかったとしても、そういう場合にこそ、ステロイドは必要だと私は考えます。
まず、もっとも疑わしき「食事」犯人説が消えたのですから、引き続き、ステロイドで症状をコントロールしながら、アトピーの原因となっている「もの・こと」を追及していくべきだからです。
当サイトでも、実際に、食事内容そのものではなく、ストレス環境や、運動不足がアトピーの主因になっていたケースがありました。
大切なのは、主体的に考え、ためし、振り返り、また考えていくこと。
そういった姿勢こそが、アトピーを改善させていくのです。
そのとき、患者の最大の味方となってくれるのがステロイドであると当サイトでは考えています。
ちなみに私は、ステロイド恐怖症の方を説得しようとはしません。
無理やり使ってもらったとしても、ステロイドに対する恐怖がくすぶっていると、ちょっと悪化した時に不安がぶり返し、脱ステに戻ってしまうからです。そうすると治療方法は迷走し、患者の心身の負担となります。
当サイトは、脱ステに疑問をもったり、行き詰ってしまったりした方たちが、じっくりと読み込める記事を積み上げてお待ちしようと思います。
それから、ご質問が来たときは、可能な範囲で、誠実にお答えいたします。
次回は、重いステロイド恐怖症だったはるさんが、どのようにそれを克服されていったのかを振り返ってみます。
●次回ステロイド恐怖症から解放されるとき。
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