アトピーの食事療法はステロイド抜きでは効きにくい。(重症アトピー改善例 SOちゃん 一歳男子)
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
ひきつづき、重症アトピーだったSOちゃんの改善例を紹介します。
1 脱ステに挫折した結果、ステロイドをやめられた話
2 アトピーの原因の探し方
3 アトピーの食事療法はステロイド抜きでは効きにくい。
4 ステロイドで眼圧が上がる、という不安は適切か。
患者は、当時一歳半だったSOちゃん。
脱ステの専門家の指示のもと、10ヵ月に及ぶ脱ステ中でしたが、うまくいかず、
ステロイド使用を併用した食事療法を始められました。
(当サイトはアトピーの改善には食事療法とステロイド使用の併用をお勧めしています。
その必要性については過去記事「脱ステロイドには反対です」をどうぞ)
そして一年後が、afterの写真のSOちゃん。
ステロイドの定期使用を、めでたく卒業しました!
しかし実は、改善は一直線にうまくいったのではありませんでした。
とくにSOちゃんママを悩ませたのは、目の周りの改善が滞ったことでした。
■食事療法とステロイドは補い合ってはたらく
アトピーの改善においては、食事療法とステロイド使用を併用することが大切です。
食事療法は、体内の炎症物質を減らすことで、アトピーの症状を根本からしずめ、
ステロイドは、既に起こってしまった皮膚表面の炎症を収め、
その二方向からのアプローチによって、アトピーの症状が鎮静化してくれるからです。
そして、食事療法とステロイド使用を併用するとき、ステロイドはかゆみを抑える十分な強さのものでなければなりません。
しっかりとかゆみを抑えてこそ、かかなくなることや、夜ぐっすり眠れることによって、皮膚の改善が促されるからです。
十分な強さのステロイドをしっかり使うことが、結局はステロイドを卒業する近道なわけですね。
SOちゃんも、この経過をたどりました。
食事療法とステロイドの使用によって、身体のほとんどの部分で、順調に改善し、卒ステしていったのです。
しかし、例外だったのが目の周り。
目の周りは、とくに小児の場合は、皮膚が普通の皮膚よりも薄いため、ステロイド薬の処方は慎重にされます。
そして多くの場合で、弱めのステロイドや、ブレドニン軟膏という、効き目が弱いステロイド薬が処方されます。
SOちゃんの目の周りにも、ブレドニン軟膏が処方されましたが、症状はうまくおさまらず、悪化しました。
その時のSOちゃんママとのやり取りの一部を転載します。
緑の枠が私、黄色がSOちゃんママです。
目に十分にステロイドを塗れていないことからくる症状ではないでしょうか?
永田先生の本にもあるように、たとえ食事から原因物質が取り除かれたとしても、ステロイドで十分に「炎症の消火」が行われなければ、症状が治まることは非常に難しいのです。
目にぬれるステロイドは、プレドニン眼軟膏のみです。目に入っても大丈夫な、非常に弱いステロイドです。
それを割とたっぷり、時には1日3回とか塗ってみたりもしました。
普通のミディアムのステロイドもダメと言われながらも治って欲しい一心で、わりと目の周りまで塗りました。
ストロングですら目の周りに塗ってみました。でも、目の中に入ってはいけないといわれるので、きわきわまではぬれません。看護師さんもステロイドの眼軟膏は効かないといっていました。
やれる事がないのです。
眼科の先生にも聞いてみましてが、今やってること以外に塗る薬はない、と言われました。
目の周りが良くなったら、次のステップに行ける!と思って頑張っていましたが、目だけは変化を感じられず、先に進めないのです…。
繰り返しますが、
このとき、足などほかの患部では、すでにステロイドが必要なくなりつつありました。
そして、そのような個所は次第に増えていきました。
ステロイドは、そのときにあるかゆみを抑えることはできても、かゆみを抑え続ける効力はありません。
効き目が切れればかゆみが再発します。
つまり、ステロイドをそれ自体に、ステロイドをやめさせる力はありません。
SOちゃんの身体の大部分では、食事療法との併用で、身体の中から新たなかゆみの元を断ったからこそ、ステロイドが必要なくなったわけなのです。
分かりやすく書くと次のようになります。
●(足など)食事療法 + 十分な強さのステロイド →→→ 改善し、ステロイドが必要なくなった
●(目の周り)食事療法 + 弱すぎるスロイド →→→ 改善せず、悪化
同じような実験は、当サイトの管理人で素重症アトピー患者の伊藤龍一さんも過去に行っていて、同じ結果が出ています。
(過去記事『ステロイドを塗らずにアトピーが治るか実験してみた。』)
SOちゃんのケースは、
やはり、食事療法、ステロイド、どちらが欠けてもいけない、ということを再確認させてくれました。
このことを、脱ステしながら食事療法を行う患者さんにもっと知っていただきたいです。
ちなみにSOちゃんは、現在、目の周りも含めて、ステロイドの定期使用を卒業しています(^^)
どういう経緯でそこに至ったかは、次回の記事で解説します。
●次回「ステロイドで眼圧が上がる、という不安は適切か。」
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