アトピーに漢方は効くか。
こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。
アトピー患者さん(や、そのママ)に、よく、こう聞かれます、
「漢方って、アトピーに効きますか?」
私は漢方についてお答えする立場にはないのですけど、
個人的な経験からはこうお答えしています、
「場合によると思います」
実は私にも信頼する漢方医(女医さん)がおりまして、
かつて、その医師に無排卵をあっさり治してもらったことがあります。
また、妊娠初期のつわりと不眠に悩まされた時も、お世話になり、ずいぶんやわらげていただきました。
しかし、その数年後、
喘息を発症したわが息子に、彼女の処方は残念ながら効きませんでした。
どうしてそうなったのか、当時はわかりませんでした。
しかし、アレルギーについての活動をしてきた今なら、少しわかる気がするんです。
■そもそも漢方とは
大学の時、東洋医学の講義をとってまして、面白かったので、ノートをまだ持ってます。
今日は久しぶりにそれを開いて書いてます。
さて、そもそも漢方とは、中国に伝わる『養生学』という考え方のひとつの治療法です。
『養生学』とは、
食事、睡眠、運動、生活などをバランスのいいものにし、
人間が本来もっといる免疫力や治癒力を助けてやれば、
生命を健康な状態で輝かせることができる、という教え。
その具体的なやり方の一つが「漢方」であって、
実は、「薬膳」「お灸」「指圧」「気功」なんかも、このならび。
『養生学』を実践するには、これらの健康法を総合的に生活に取り入れるべきであって、漢方だけが独立して存在しているわけではないんです。
さらに、養生学とは、不調に陥ってからではなく、日常的に実践すべきもの。
というのは、中国医学とは、基本的には予防医学であり、健康のセルフコントロール法として発達してきたから。
つまり、そもそも、
漢方薬というものを、西洋医学の薬と同じように考え、
「これを服用すればこの症状が治る」ものとして、ピンポイントで考えることが適切ではないわけです。
「漢方は効きますか」という問い方は、
西洋医学に不信感を抱きながらも、西洋医学の観方で漢方をとらえてしまっているといえるわけで、
体のほかの条件が整っていない状態であれば、漢方はその威力を発揮してくれなかろうと、今は思います。
あのとき、喘息だった息子は、
おそらく、漢方だけではなんともならない大きな原因を抱えていたのだと思うのです。
■西洋医学と東洋医学
漢方にはこのような背景がありますから、
漢方医にアトピーの治療を相談した場合、たいてい、食生活や生活習慣についての指導があります。
これは、一般的な皮膚科医が食事指導をしないことと対照的ですね。
そして、漢方医の指導する食事療法は、漢方医にもよりますが、
食べすぎをやめなさい、スナック菓子や揚げ物をやめなさい、など、
永田良隆先生の食事療法と共通する項目も非常に多いようです。
このような漢方医のもとで、軽度のアトピーがよくなることは、あり得ると思います。
ただ、うまくいかない場合も多いと思います。
というのは、多くの漢方医は、ステロイド使用を否定したり、強く禁じたりするからです。
当サイトでは何度も繰り返していることですが、
今まで最も多くのアトピー患者を改善させてきた、アトピーのもっとも効率的な治療方法とは、食事療法とステロイドの併用です。
それを実現してくれる場として、
現在、病院はもちろん、漢方薬局も、うまく機能していないと言えます。
これを書いていたら、思い出したことがあります、
昔、私が日本語教師だったときの話です。
それぞれの国の特性について授業をしていて、ある学生が中国人の学生に、
「中国には漢方という優しい治療法があるからうらやましい」みたいなことを言ったとき、中国人の学生がこんなことを言いました、
「よくないです。
漢方でなんでも治ると決めつけて手術しないからたくさん人が死にます」
もちろん、中国全土がそういうわけではないと思いますが、
すくなくともその学生にそう感じさせるような状況は、彼のまわりであったのでしょう。
アトピーに悩まされ、いろいろな治療法を転々とする患者さんは、このような、いろんな医療の立場同士の排他性を感じたり、悩まされたりすることが多いようです。
読者さんからも、かつてこんな目にあった、というお話をよくお聞きします。
そして、それは無理からぬことであるような気もすると同時に、
食事療法とステロイドの併用、言ってみれば、東洋と西洋の医学を融合した永田良隆先生の治療法の重要性を、いっそう強く感じます。
■漢方を試したい方へ
ということで、「漢方を使ってみたいのだけど」とおっしゃる読者さんには、個人的にはこうお話しします。
「食事療法とステロイドの併用は、アトピー治療に必須です、
漢方は必須だとはとらえていませんが、
既に食事療法とステロイドを併用していることを話して、受け入れてくれる漢方医さんなら、よいのではないでしょうか。
絶対に、ステロイド治療をしていることを隠して処方を受けないでください、
ステロイドと効き方が拮抗(けんか)する漢方を処方されてしまう可能性があり、ややこしいことになります。
話をよく聞いてくれる、優しい漢方医さんが見つかるといいですね」
ちなみにわが家では今、漢方を使っていません。
わが家の子供たちのアレルギーに関しては、食事療法と(たまーに)ステロイド、で事足りているし、サイトの記事の改善者さんたちも同じです。
ただ、最近思うのは、
今後私は、食事、食習慣、生活習慣など整えていても、更年期障害には、見舞われるのかもしれないなあと・・・(^_^;)
周りで、そんな悲鳴がちらほらと・・・!
もしそうなったら、わたしは、病院にも行くだろうけど、信頼する漢方医のところへも行くと思います。
クールで知的で優しいK先生(*^_^*)、お元気かなあ。
お会いしたいけど、そうなってほしくないような・・・(笑)
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