100%ジュースなのに砂糖入り?
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2 それはジュースではありません。を読む
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〇ジュースの害について
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■100%なのに砂糖入り?
じつは、100%果汁だというのに、糖分(砂糖類、はちみつ等)がはいってるものがあるのです!
・・・えっ、なんで?
それじゃ嘘ついてるじゃん!
と、思いますよね。
いいえ、これ、法律的には大丈夫なんです。
ちなみに、糖類のほかに、香料や酸化防止剤(ビタミンCなど)を入れてもいいことになってます。
それはなぜか。
じつは、お店に並んでいる100%ジュースの多くは、濃縮還元という製法で作られています。
・・・濃縮還元?
栄養が濃縮されているってこと?
・・・そう思いたいですよね、でも違います。
それでは、濃縮還元ジュースの作り方を見てみましょう!
①搾った果汁をぐつぐつ煮て水分を飛ばしたり、真空にして低温で沸騰させたりして、
水を除いて、5/1ぐらいにギュッと濃縮する。
↑濃縮オレンジ果汁! ワオ! 変なかんじ!
(●参考HP 日本ジュース・ターミナル株式会社)
②再び水で薄める。
③濃縮することで飛んだ栄養、風味、味をととのえるため、糖類や香料などを添加する。
糖類やはちみつ等は、果物の種類によってきまりが違うが、2.5~5%までなら入れてよし。
(●参考資料 果実飲料の日本農林規格)
え、なんでそんなめんどくさいことを?
絞ってつめればよくない?
・・・と、思いますよね。
それはズバリ、コストを下げるためです。
だって、量を5/1にすれば、保管場所も5/1、輸送費も5/1!
しかも、生の果実と違って、長期保存がきくようになるという面でも、コストダウンできます。
だからこそ、私たちも安く100%ジュースを買えるわけですね。
そうして作られた、100%果汁(濃縮還元・加糖タイプ)の甘さは、
ジュース以外の甘い飲み物と同レベル、あるいはそれ以上になります。
また、加糖されていない濃縮還元ジュースもありますが、
その場合は、水で戻すとき、十分に甘さを感じるよう、濃いめに戻されているので、
出来上がるジュースの甘さの程度は、加糖タイプと大差はありません。
しかも、濃縮還元ジュースは、その製法によって、果実が持つ栄養素はかなり損なわれています。
(熱に弱いビタミン類や、取り除かれてしまう繊維質など)
濃縮還元の100%ジュースを、果実の栄養素を期待して飲んでいると、糖分をあっという間にとりすぎてしまうわけです。
■それなら、濃縮還元じゃない100%ジュースは?
濃縮還元ジュースの甘さが、果実本来の甘さよりだいぶ強いってことはわかった、
じゃあ、果実本来の甘さのジュースはないの?
あります。高いですけど。
まず、ストレート・タイプ。
絞って、短時間、加熱殺菌しただけの100%ジュース。
さらに果実に近い栄養をもつのは、フレッシュ・タイプのジュース。
目の前で絞って売るタイプの100%ジュースです。
確かにこういうものなら、比較的、甘さは控えめでしょう。
それなら、たくさん飲んでも大丈夫でしょうか。
では、ここで問題です。
コップに一杯のフレッシュ・オレンジジュースを作ります。
オレンジは何個必要でしょうか。
①1こ
②3こ
③5こ
・・・いいですか?
決まりましたか?
答えは、③5こです。
実際にご自宅で生ジュースを作ったことがある方は、分かったはず。
絞り機で絞っていくと、果汁は思ったよりも少なくなっちゃうんですよね。
そう、結局、砂糖をつかわないのなら、
甘い果実を、一度に食べきれないほどたくさん使わないと、美味しい飲み物はできないんです。
これは野菜ジュースでも同じ。
子どもがおいしく飲める野菜ジュースの主成分は、リンゴジュースであることが多いです。
(子供の苦手なトマト系ジュースを除く)
・・・でも、それって自然由来の甘みじゃん。
砂糖じゃないなら、体にいいんでしょ?
そう思いますよね。
しかし、じつは、前回触れたWHOの基準では、砂糖だけではなく、果糖や果汁も、「糖類」としてカウントしなければならないんです。
つまり、「果汁」の甘みでも、甘みは甘み。
生で食べきれないほどの果実の果汁を一度にのむことには、慎重にならなければならないのです。
(果汁の取りすぎは、肥満や脂肪肝の原因になることがわかっています。)
■うちの子はスリムだ!
・・・なるほど。
つまり、100%かどうかにかかわらず、
こどもに甘い飲み物を1日1杯以上飲ませるなっていうことね。
でも、それって、つまり、虫歯になったり、太るからよくないってことでしょ?
うちの子太ってないよ。虫歯もないし。
だから問題ないと思うんだけど?
・・・そう、思いますよね。
確かに、私がファミレスで見たAちゃんとB君も、とってもスリムでした。虫歯はわかりませんけど。
しかし、砂糖の取りすぎが引き起こす問題は、虫歯や肥満だけではないのです。
というよりも、虫歯や肥満のようには気づきにくい問題が、体内で進行する、
そのことのほうが恐ろしい。
その兆しは、Aちゃんにも、B君にも、見てとれました。
●この子、小食で・・・、に要注意!につづく