玄米は身体に悪い、なんて言ってない!
ちょっと、面白いことがあったので、記事にしてみます。
昨日、バスの中で会った友人にこう言われました。
「乳がんの記事読んだよー、なんかちょっと安心した。ありがとう」
「ほんと? よかったー」
「そういえばさ、友達のお母さんが乳がんになったらしくてさ。
進行はそんなに早くはないらしいんだけど。
なんかね、玄米食べ始めたらしいの。
私、愛ちゃんのサイト読んでるからさ、玄米は身体に悪いって知ってるじゃん?」
「うんうん。・・・ん?」
「だからさ、食べないほうがいいよって伝えるべきか、迷っちゃって。
だって、余計なお世話かもしれないでしょ?」
「・・・『玄米は、身体に悪い?』」
■私が書いたこと。
「私、そんなこと書いてないよ」
「えー、書いてあったよ、日本人は玄米なんか食べてなかったって・・・」
「それは書いた。
そう思ってる人が多いけど、玄米は伝統食ではない、って。
その検証をできるだけわかりやすくマンガにしてる。(↓)
(『「玄米は伝統食」というウソを暴くマンガ。』より)
でもあのマンガは、その検証しかしてないよ。
玄米食そのものの良し悪しとかには触れてない」
「えー、そうだったっけ?
あと、ほら、アトピーのとこにも出てきたじゃん。
アトピーのキンドルにも出てきたじゃん」
「うん、そっちにも書いた。(↓)
玄米は高たんぱく高脂肪で消化が悪いから、アトピーには向かないよって。
(拙著『アトピーが消えちゃった! マンガでわかる体質改善』より)
でも、私が知ってるのはアトピーについてだけだから、それ以上のことは書いてないよ」
「えー、そうだっけ・・・。
じゃあさ、がんの人は玄米食べていいの? わかりやすく説明して~」
「そんなこと、知らないよー((((((゜o゜)!」
■私が言えること。
ある食品が伝統食かどうか、という判断には慎重にならなければなりません。
それが伝統食であるという先入観は、
「それが自然だ、だから大丈夫」という気持ちに直結し、警戒心をなくしてしまうからです。
玄米は、そもそも「取扱厳重注意」な食品です。
取り扱い方を間違えると、消化不良や、栄養過多や、ビタミン流失の原因となりえます。
それなのに、伝統食だと思って(思わされて)、安易に手を出す人が多すぎる。
かつての私が玄米に手を出した理由が、まさにそれでした。
そして、娘をアトピーにしてしまってはじめて調べて、びっくりするほど消化が悪い代物だと知った。
そういう人は、きっと多いはず。
だから、「玄米は伝統食ではない」ことは、もっと知られなければならないと思うのです。
伝統食でないのなら(治療食ならば)、人は躊躇したり、警戒したり、慎重になったりするからです。
けれどそれは「だから玄米は身体に悪い」とは違います。
同じ炎症体質が関与しているからと言って、アトピーとがんは違う病気です。
アトピーについていえることを、安易にガンに当てはめるべきではないからです。
わたしは、例え友人が、ガンを治すために玄米食を取り入れた、と言ったとしても、反対しないと思います。
けれど、友人としてこうは伝えます、
「玄米は確かに、現代人に不足しがちな栄養素を多く含んでいる。
でも、玄米は伝統食だとか、本来の食べ物とかいう話は、事実ではないよ。
それを前提としている人の話を信頼してしまうのはお勧めしない。
玄米は平安時代ぐらいからあったけど、あえてそれを毎日食べようって人は皆無に近かった。
近代に入って、栄養学が入ってくるまではね。
日本人はずっと、玄米を、どれだけ食べやすくするかに必死だった。
そういうものを毎日食べようっていうんだから、選び方や食べ方にはくれぐれも気を付けてね。」
私が言えることは、それ以上でもそれ以下でもありません。
■情報は、とってもゆがみやすい。
いつなんどきでも体にいい食べ物、なんてのがないのと同じように、
いつなんどきでも体に悪い食べ物、なんてのもたぶんないのではないかな。
物事は、ケースバイケース。
めんどくさいけど、強引に簡単にしちゃうと、その簡単さにいつか足を掬われちゃう気がします。
人はついつい、物事をわかりやすい形に変え、無意識に、情報をゆがめてしまいます。
それが、特定のイメージに引っ張られている時は、特に。
また、ついつい、過剰な断定とか、おおざっぱなくくり方をしてしまいます、
自分や、相手が、そう信じたがっている時は、特に。
だから、何かを聞くときも、何かを語るときも、くれぐれも気をつけなければ、と、常々思っています。