肉は身体に悪い?・・・の前に。

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2017年6月9日 金曜日

肉は身体に悪い?・・・の前に。

■息子の「なんでソーセージは豚肉だけなの?」から始まった、ソーセージと肉食を考えてみる連載記事です。
1 ソーセージはなぜ豚肉だけなの?
2 これぞ食育!(ソーセージ続き)
3 肉は体に悪い?・・・の前に。
4 ドイツのうたげ!

 
 

ソーセージのコラムを読んだママ友から、
「佐々木さん、肉食べるんだね、意外だった」と言われました。
 
肉食べます。大好きです。おいしいじゃないですか(^^)/
 
 
■肉は身体に悪い?
確かに、肉は身体に悪い、という見方もあるみたいです。
そして、この活動をする中で、「確かに、肉が悪さをする場合がある」ということも、実感としてわかってきました。
 
でも、肉に限らず、「〇〇は体にいい、悪い」みたいな分け方には疑問を感じます。
 
っていうのは、どんな食材も、まずは食べ方が語られるべきだと思うから。
 
どのぐらいの量を、どんなバランスで、どうやって食べるか。
それによって、身体に及ぼす影響は全く変わってくる。

・・・これも、実感としてわかってきたことです。。
 
実際、お米という日本人の主食すら、食卓のバランスを欠いたために、アトピーの原因の一つになっているわけですから。
 
食というのは、食卓の総体。
 
だから、少なくとも、肉を食べるなら、
肉を食べて生きてきた民族が、ある程度健康に生きてきた時代の食べ方を参考にすべきだと思います。
どんな文化でも、その土地で手に入る食材で作られた、もっともましな献立にたどり着くものだからです。
 
例えば、ソーセージをはじめとした肉類を毎日食べるドイツ。
寒冷な気候と、地質に恵まれない土地のために、野菜や果物はあまり育ちませんでした。
 
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(↑日本における焼き魚定食みたいな食事)
 
それを補っていたのは、種類豊富な野菜、キャベツ。
それをさらに乳酸菌発酵させた漬物、ザワークラウト。
(放浪時代に食べましたが、ひたすら酸っぱくて、食べるのきついレベル(^_^;))
 
さらに、収穫できる数少ない穀物であるライ麦で作った、黒いパン。
常に食糧不足だったドイツでは、パンは、かさを減らさないように、基本的に全粒粉でつくられました。
(これも食べましたが、なんというか、パンという概念が変わる味わいの代物\(◎o◎)/)
 
大航海時代以降は、ジャガイモも、これに加わります。
 
これらの付け合せが、食物繊維やビタミン、ミネラル類となり、肉食に偏りがちなドイツ人の胃腸を守ってきたのです。
 
とはいえ、そのような伝統的な食べ方が、栄養学的に完璧な献立であるわけはありません。
だから常に、最新の科学的な視点で、慎重に改良されていく必要があります。
 
野菜不足に悩むドイツでは、サプリメントが発達し、定期的にとる習慣があるし、
近年は、市場に並ぶ野菜や果物の種類が増えてきているそうです。
 
 
■日本人の肉の食べ方。
さて、かつては、畜産物、油脂をあまり取っていなかった日本人。
私たちは長い間、雑穀をまぜた分搗き米を中心に、献立を組み立てていました。
(何度でも言いますが、玄米が常食されたことはありません)
 
その食生活は、近年の栄養改良運動を契機として、大きく変わりました。
 
しかし残念ながら、その改良は、旧来の食文化を重んじつつ慎重にされた、とは言えません。
それどころか、破壊された、というに近いと感じます。
 
いまや、わたしたちは、白いご飯片手に、植物油で上げたとんかつをもりもり。
その翌日はお菓子のような甘く柔らかい食パンに、マーガリンとジャムをたっぷり、目玉焼きもつけて。
 
・・・でも、かつてそんなことをしていた民族は、どこにもいません。
 
それはまるで、絵柄の違うパズルのピースを、いくつも無理やりはめ込んでできた絵のような、でたらめな食卓です。
その結果、身体には、思いもよらない負担がかかり、予想もしなかった悪影響が現れているのです。
 
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(↑拙著『アトピーが消えちゃった!マンガでわかる体質改善』より)
 
アレルギーも、そのひとつといえるでしょう。
 
けれど、それは肉のせいでしょうか。
たとえ、そこから肉だけを取り出し、別の食材に変えたところで、また別の病気にかかるのではないでしょうか。
 
肉についての議論は、現代日本人の食卓のアンバランス、食生活のアンバランスを、まず正してからにしなければならないでしょう。
 
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