娘Mの顔の、赤いあざの話。

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2016年8月8日 月曜日

娘Mの顔の、赤いあざの話。

 
 

M出産から一週間。
退院後はそのまま、子供たちのいる私の実家に身を寄せています。
 
さて、出産ネタが続いてすみませんが、何かの参考になるかも知れないので、M出産後に起こったある事件について、書いておこうと思います。
 
 
■なんで皮膚科の先生が?
あれは、授乳指導が始まった日。
 
母子別室の病院だったので、Mと会えるのは、授乳時間に訪れる新生児室でした。
 
何度目かの授乳に訪れ、「かわいいなー(*^.^*)」なんて思いながら、Mをベビーベッドから抱き上げようとしたとき。
 
「佐々木さん」
背後には看護師さんと、知らない女医さん。
「こちら、皮膚科医の○○先生。Mちゃんのことで佐々木さんにお話が……」
「……皮膚科?」
「○○です。Mちゃんの、お顔のあざのことで」
「え、あざ? ……あざってどこに?」
「ここに……」
そういって、先生はMの左の頬をさしました。
 
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要約すると、
・Mの顔の左頬を中心にした広い範囲に、恐らく赤いあざがある。
 
・現時点では、単純性血管腫か、苺状血管腫だと思われる。
 
・前者なら、薄くなるか、変わらないか、濃くなるか、は不確定。
 
・後者なら、これからあざが成長して、視力などに影響する可能性もあり、その場合はステロイド注射などの外科的な処置が必要になる場合もある。
 
・現時点では、まだどちらかほはっきりしないので、経過観察の状態。

 
言われてみれば確かに、そんなあざがあるようにも見える。
ただ、何しろ「赤ちゃん」なので、まだ全体に赤みが強く、診断も難しいのだという。
 
その女医さんは、退院までにもう一度診察させてくださいね、と行って出ていった。
 
私は、そうか~……、と思いながら授乳訓練(出産翌日なのでまだあんまり出てない)。
 
 
■主治医も来た
しばらくすると、今度は産科の主治医のS先生(同年代、男性。よい先生)がやってきた。
で、ものすごい沈痛な面持ちで、
 
「……佐々木さん……(-_-)」
「あ、S先生(゜▽゜)」
「お話聞きましたか? かなり、ショック受けたでしょうね……フウ~……(ため息)」
「うーん……、そうですね……」
「……大丈夫ですか?」
「いや~、大丈夫もなにも、まだはっきり診断もついてないし。
 
単純性なんとかで、しかも薄くなる可能性もあるらしいですよ?
もしそうなら、今思い悩んだら悩み損だしねえ。
 
てーか、まだこんなに顔全体が赤いから、落ち着かないとよくわかんないし。
とりあえず経過を見て、診断ついてから、色々考えますわ。
 
今はとりあえず、おっぱいを軌道に乗せとかないとね」
 
主治医は、なんか拍子抜けしたような、ほっとしたような顔をして言いました。
 
「いやあ、佐々木さんがそう言ってくれてよかった。
こういうことお話しすると、取り乱してしまうお母さんも多いので」
 
……取り乱してしまう、か。
そうか、そういう人もいるかもしれないな。
 
そう言えば、私も随分、落ち着いた思考ができるようになったもんだ。
そんなことを思い出したのでした。
 
 
■元ビビりの証言。
私は元、ビビりです。
どのくらいかというと、Pが生まれた後、不慮の事故が恐ろしくて、外出はおろか、階段の登り降りすらできなくなったぐらい(笑)
 
私は脅威にさらされると、安心を得ようと、とにかく色々調べる癖がありました。
 
―これからどうなるの?
―誰か教えて
―怖い、怖い、怖い
 
しかしそれが逆に、不安という苗木に、これでもかと栄養をやりまくることになるわけで。
その結果、不安を必要以上の大木に成長させてしまい、その濃~い木陰で膝を抱えたまま、動けなくなっちゃうのです。
 
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心身が緊張して、
視野がどんどん狭くなって、
公正な人の意見が聞こえなくなって。
 
最終的には、問題から引きこもっちゃう。
または、考えることを放棄して、物凄く安易な方法に逃げる。
 
脅威にさらされたときの、私の現実対処法は、長い間、そんな感じでした。
お恥ずかしい限り。
 
 
■旦那の一番弟子(^-^ゞ
それを変えたのは、主人のレクチャーです。
 
主人は、簡単に言えば、人間がよりよく生きるためにはどうしたらよいか、という引き出しを山ほど持っている、プロのアドバイザー。
 
主人曰く。
 
人間は多かれ少なかれ、考え方や姿勢に、それぞれのクセみたいなものを持っている。
 
そのクセは、何か問題が起こったとき、どう対処するか、に現れやすいもの。
 
勿論、それが個性といえる程度のクセなら、問題はない。
 
けれど、
「自分はこういうとき、なんでだかいつもこうなっちゃって、ほんとに困ってしまう……」
という自覚がある場合は、その人が抱える「クセ」を、
改善することができる。
 
ちなみに、私、佐々木のクセは、脅威にさらされたとき、「恐れ」や「不安」にとらわれすぎることでした。
 
では、まだ起こってもいないことを心配して、ストレスで消耗するのではなく、
現実と実際に組み合う中で、臨機応変に最適な判断を下し、行動していくためにはどうしたらよいのか?
 
それは、ひたすら!自分を客観的に見つめること。
モニタリング、っていいます。
 
つまり、ドラマの人物を、ああだこうだと評するみたいに、自分のあり方がが適切かどうか、第三者の視点をもって、判断してみることです。
 
私はこのために、問題の要点を書き出し、インデックスを使って整理する、というやり方をとります。
 
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他にも、やり方は色々あります。
 
これは「ビビりな人」に限りません。
自分のクセを分析することは、ときに、問題そのものについて知ることより、重要なのです。
 
私はそうすることによって、自分を支配していた不安に、あんまり根拠や実体がないことに気づき、不安の木陰から、出てこれるようになりました。
そして、いま取り組む意義があることにのみ、集中することを覚えました。
 
 
Mのあざは、薄くなったり、消えたら嬉しい。
でも、消えないかもしれない。
 
消えない時は、彼女のアイデンティティや、人間関係の形成において、大きな影響を及ぼすかもしれない。
 
なんにしろ、未来のこと。
 
いまできるのは、元気に泣くMに栄養たっぷりの母乳を出すこと。
困難に立ち向かえる丈夫な心身を作ってやること。
 
ストレスで、本来は出る母乳が出なくなる、なんてのがもっともナンセンス
(注:佐々木は母乳信者じゃありません(^_^) 念のため)
 
 
■どうでしょう、先生。
……だから、いまは考えても仕方ないと思ってさ。がっつりごはん食べて、おっぱいがんばってるんだ」
 
面会に来た主人は、硝子越しにMを見つめながら、私の話を聞いていました。
 
「うん。俺もそれがいいと思うよ」
 
Mのあざについて、主人とは、そのぐらいしか、話しませんでした。
 
でも、私の本性を誰よりも知る主人の顔は、明らかに
「よくできました。」
と言ってくれていたので、一番弟子としては、ちょっと嬉しいのでした(^-^ゞ
 
 
……しかーし
今回は、これだけではすまなかった。
Mのあざについて、もうひと波乱があったのです

「娘の顔のあざと、佐々木が久しぶりにビビった話 前編」に続く……




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