アメリカ留学生(ヴィーガン)を一週間受け入れた話。その2
アメリカ留学生H君(ヴィーガン)の一週間の滞在を振り返って書いてみる。
彼は厳格なヴィーガンだったので、食べ物には気を遣う必要があった。
ヴィーガンの食事についての情報を寄せてくださった方が多くいて本当に助かった!
(荒田さん、吉田さん、箕浦さん、金田さん、そして永田良隆先生、ありがとうございます!)
彼は日本びいきなので甘味系は和菓子があるから大丈夫。
つまるところ、大きな課題は、魚介出汁なしでどう味を調えるかということと、食事の際のたんぱく質をどうとるかということだ。
たんぱく質については、和食には大豆、豆系の食品やお麩などの食材が豊富にあった。
今まではわき役だった大豆食品を、思い切ってメインにして、いろいろやってみた。
豆腐だけじゃなく、湯葉、厚揚げ、油揚げ、がんもどき、おから、そして納豆(H君、納豆が大好きになった)。
インドネシアで作られてきたテンペという発酵大豆食品も試してみたらとても使いやすかった(匂いのしない納豆バーみたいな感じ)
お麩の種類の多さには、改めて本当にびっくりした。
小町麩、庄内麩、観世麩、車麩、丸麩、沖縄麩・・・
それぞれ適している料理が違うし、食感や味わいも違う。
しかも扱いがすごく簡単で、価格も安い。高たんぱく低カロリー。
あれこれ試作するのがとても楽しかった。
その中で、私なりに会得したヴィーガン食卓のポイントは、
・味の奥行に欠ける部分を、砂糖・油で補ってしまいがちだから、砂糖・油の摂取量に注意
・味の奥行にかける部分は、発酵食品の持つ味わいでフォローすべし
(味噌、醤油、味醂、酒、納豆、塩麹、味噌麹、酒粕など)
・市販のヴィーガン系食材は、美味しい物もあるけれど、うーん、というものも正直多い。色々買って試すべし。
私たち家族の食べ物については、事前に家族で話しあって、彼の滞在中共に食事を共にするときは、ヴィーガン食卓にしようと決めた。いい機会だからみんなで体験してみようと。
結果、H君は私の料理をとても喜んで、いつもたくさん食べてくれたし、
子ども達もヴィーガン食卓を楽しんで、不満の声は一切出なかった。
(給食、ランチタイムでは動物食材を食べていたおかげもあったかな)
H君が帰国して、私達の食卓には畜産物が戻った。
私達はヴィーガンにはならないけれど、
失ってみて初めてわかる魚介出汁の味わい深さとか、
まだまだ知らない食材があることとか、ものすごく勉強になったし、
今回新しく取り入れた食材については、今後も使い続けていきたいなと思っている。